手を大きく広げた巨大な藁人形「お人形様」は、福島県田村市にある。磐城街道沿いに病気が流行した際に、魔除けの意味で作られたそうだ。この出で立ちを写真で見たとき、実際に現地を訪れてその迫力を体感したいと思った。そして、現在新型コロナウイルスが流行する中で、厄払い信仰の原点にも立ち帰れるのではないかと感じた。
お人形様は身の丈が約4メートルで、目を見張るほどの大きさだ。なぎなたや刀を持ち、両手を広げ通せんぼのような格好をしている。顔は厄から村を守れるよう、睨むような表情である。福島県田村市内だと堀越、朴橋(ほおのきばし)、屋形(やかた)、JR船引(ふねひき)駅に現在置かれている。東北各地に人形道祖神はあるものの、非常に大きなサイズのものが見られるのが、田村市の ...