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「福男」による「福男」への挑戦!?【西大寺会陽】へいざ出陣!

2019/3/27
2024/5/21
「福男」による「福男」への挑戦!?【西大寺会陽】へいざ出陣!

岡山は西大寺。

 

おや、祭りのニオイがするぞ?!

よし、行くかっ!!

 

前フリが長い・・・笑

 

 

ニオイの先にはどうやら日本最大級のはだか祭りがあるようです!

というわけで…

僕の地元、兵庫県芦屋市から車を走らせること約2時間。

2019年2月16日に岡山県で行われた日本最大級のはだか祭り、「西大寺会陽」をレポートします!

 

ではまずこちらをご覧ください↓

西大寺会陽のダイジェスト動画?を作っちゃいました♪

日本三大奇祭の一つ、西大寺会陽とは?

西大寺会陽(さいだいじえいよう)

岡山県にある真言宗別格本山西大寺で開催される「西大寺会陽」は日本三大奇祭の1つ。

この祭りでは最大1万人のふんどし姿の参加者が二本の宝木を奪い合います。奪った宝木を境内の外に持ち出した方が福男として認定されるのですが、この争いが熾烈を極め、骨折などの重傷者が出るほどの激しさです。

 

まあ簡単にいうと

 

ヤバイ祭り

 

っすね。(笑)

住職との奇跡の対談!福男が福男について聞いてみた!

西大寺住職の坪井様に貴重なお時間を頂くことができました!(本当にお忙しい中お時間を割いてくださりました。まさに奇跡です)

 

佐藤:初めまして!よろしくお願いします!

 

坪井住職:こちらこそよろしくお願いします!

左:佐藤 右:西大寺坪井住職

 

佐藤:ところで本日の祭りで使用する予定の宝木を見せていただくことは可能ですか?

 

坪井住職:もちろんです。こちらです。この二本の宝木を巡ってはだかの男たちによる争いが繰り広げられるんですよ。


宝木の写真

佐藤:す、スゴイ…なんかオーラを感じる(笑)

 

佐藤:ところで、住職もこの祭りに参加されたことはあるんですか?

 

坪井住職:学生の頃に参加しました。しかしながら、福男になることはできませんでした。

 

佐藤:この祭りで宝木を取った男も「福男」として認められるんですよね?福男を獲得した方は今後、どのような行動をとれば良いと考えますか?

 

坪井住職:福男はなってからが重要だと考えます。「福」という意味は、自分が幸福になるのではなく、周りに幸福をお分けするという意味が強いのです。ですので、福男を獲得した方は多くの方の幸せのために行動して欲しいですね。

佐藤:僕も西宮神社の福男を獲得した後、高齢者施設などを自主的に回りました。やはり、そこで多くの方に喜んでもらえることが何よりの僕の喜びになりました。

 

坪井住職:素晴らしい行動だと思います!

 

~ここから真言宗トーク強めになります(笑)~

 

佐藤:僕は2/25からお遍路に行くんです!僕自身、高野山真言宗で、お遍路にはかねてから興味を抱いておりました。

 

坪井住職:そうなんですね。お若いのにお遍路とはすごいですね。私も昔回らせていただきました。40日を切るペースで回りました。

佐藤:すごいお速いですね。身長も高く、運動神経が良さそうです!是非、西大寺の福男選びに再チャレンジしてくださいね!

 

坪井住職:いや…なかなか厳しいと思いますよ(笑)

 

佐藤:ズバリ、これからの志を教えてください!

 

坪井住職:西大寺を後世にも繋げていけるように持続可能性を高めることです。私の以前にも住職はいらっしゃいました。この伝統あるお寺をさらに発展させるとともに、歴史の火を消すことなく、後世へとバトンタッチすることが目標ですね。

坪井住職、お忙しい中インタビューにご協力いただきましてありがとうございました!

インタビューは西大寺の「龍馬の間」で行いました。坂本龍馬と中岡慎太郎が宿泊した由緒あるお部屋でした。

戦いの前から大賑わい!周辺の様子でござる!

門前には屋台が出店され多くの方で賑わっております。

 

ん?名物の太鼓おじさんだ!(すみません、勝手に命名しました)

毎年この祭りが行われる際に境内で太鼓を叩き、多くの方を楽しませているそうです!

せっかくの機会ですので、私も共演いたしました!

太鼓おじさん:「やっぱりうまいわこの人!さすが福男」

お褒めの言葉いただきました~⤴︎

 

私と先輩ライター菅原はしっかりとYouTube用動画撮影!

 

刻一刻と近く宝木投下の時間…勝負の前はこんな感じだぁぁ

「はだか」と呼ばれるはだか祭り参加者は、ここで体を清めてから参加します。

気温が5度前後の中で真水に入るのは根性が要りますが、入った後のテンションは異常!

熱気で寒さをぶっ飛ばします!

「どっこいしょ」という声も聞こえます。

坪井住職によれば、元は「六根清浄」という言葉から来ているそうです。

六根清浄とは、汚れがないという意味であり、それがいつの間にか掛け声になったということです。

 

「ワッショイっ!ワッショイっ!」という威勢のいい掛け声が飛び交っています。

祭り開始前の作戦会議。

すでに多くの方々が勝負の目になっております。

宝木を取った2人は福男として認定されるのです。

 

福男を狙う男たちの夢。それは一体…?

祭り参加者の一言意気込みを聞きました。

抜粋してご紹介いたします!

<参加歴16年の方>
今年こそはやったるからな!!!!ウォォォォ!

 

<参加歴23年の方>
いつ宝木を取るの?今年でしょ!!(笑)

<参加歴1年目の方>
怪我をしないように頑張ります。あー、こわい。(苦笑)

 

<参加歴5年目の方>
福男になれたら好きな女の子に告白します!!頑張るゾォォォォ!

 

控えめなコメントから、すでに戦闘モードなアツいコメント、ありがとうございます!!!!

祭りを見学するだけの僕まで燃えてきました!

しっかりと参拝をしてから勝負に臨む男性。

オーラが違います…長年のいろいろな思いを思い出しながら手を合わせているのでしょう。

さあ、昨年は見学だけだったこの男。

オマツリジャパンの菅原も参戦いたしました!

一応、意気込み聞いときますか。(笑)

 

<初参加の菅原さん>
骨折しないように頑張ります。

 

あらネガティブ♡

さあて、結果はいかに?!

いざ、戦の開始!!立ち上る湯気…担架で運ばれる怪我人…勝負の行方は!?

午後10:00、二本の宝木をとるための戦いが始まりました!

毎年、終了時間が変わる為、全く予想がつきません。

早ければ十数分、遅ければ数時間続くこともあるのだとか。

多くの「はだか」達が宝木を狙っています。

群れを作って戦い合ってる所もあれば、じっくりと考えながら待っている「はだか」達もいるようです。

開始直後、なだれが発生しております!

すでに数名が担架で運ばれていきました。

お、ここはまさに宝木の争奪戦が繰り広げられています!

写真右横には多くの警察機動隊員の姿も。

宝木投下からわずか9分後の午後10:09ごろにアナウンスがかかりました。

 

「宝木が境内から出ました。『はだか』の皆さまはお疲れ様でした。速やかに境内から退出してください。また、宝木を持っている人は商工会議所に届けてください♪」

2019年の西大寺会陽は短時間で決着がついた模様です(笑)

この後、宝木を持った人が商工会議所に届けに行くと、正式に福男として認められるというシステムになっております! 

2019年西大寺の福男に輝いた2名に話を伺おうと思いました…が…

なんとっ!

宝木を持った人物が商工会議所に現れていないということです…(笑)

というわけで今年の福男には残念ながらインタビューすることができませんでしたが、代わりに新聞記事をご紹介いたします↓

宝木争奪戦制し平成最後の福男に 阪田グループと寺坂グループ

西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)で16日夜行われた西大寺会陽で、小学校教諭の小峰直人さん(25)=同市南区=ら7人の阪田グループと、自営業の羽納直孝さん(38)=同市東区=ら10人の寺坂グループが、約1万人(主催者発表)による宝木(しんぎ)の争奪戦を制して平成最後の福男となった。

阪田グループは8年ぶり16回目の宝木獲得。派遣社員道口慎さん(25)=同市南区=が、大床の下にできた人だかりに分け入り、宝木を手にした。股の下を通しながら介護職員片岡宏之さん(25)=高梁市、小峰さんへとリレーして慎重に群衆の外へ運んだ。

寺坂グループは3年ぶり9回目の福男。羽納さんは弟で自営業の通浩さん(36)=岡山市中区、会社員小林達史さん(36)=同市東区=と臨んだ。大床に陣取っていると、仁王門側の階段付近に宝木を発見。通浩さんが何重にも折り重なる男衆の中に飛び込んで懸命に手を伸ばし、宝木をつかんだ。その後は模擬宝木を使って練習を重ねたという連係で無事に運び出した。

引用:宝木争奪戦制し平成最後の福男に 阪田グループと寺坂グループ(山陽新聞 2019.02.17)

西宮と西大寺。二つの「福男選び」に触れて

筆者の地元、兵庫県の西宮神社の「福男選び」と、岡山の奇祭、西大寺会陽の「福男選び」。福男を目指して参加者がしのぎを削る構図は同じですが、二つを比べると細かな違いや不思議な共通点が浮き彫りになります。

同じ「福男選び」。西宮と西大寺の違いってなに?

同じ「福男選び」でも、西宮神社で行われる開門神事と、この西大寺会陽は特徴が大きく違います!それぞれを比較してみました!

年齢層としては小学生~高齢な方(70代)までが参加しているようです。西宮神社の福男選びには小さい子供の参加者はあまり見られません。しかしながら、80代の高齢層の参加者もいるのです。

西大寺はほぼ全員と言っていいほど男性の参加者ですが、西宮神社の福男選びは多くの女性が参加しています。

また、西宮神社の福男選びは福男決定の瞬間を一般の方は生で見ることはできませんが、(テレビの生中継などでは見たことがあるはずですが)西大寺の福男選びは、特別観覧席などが用意されており、福男決定の瞬間を見ることが可能なんです!

西宮神社開門神事 西大寺会陽
年齢層 中学生~高齢者(70代、80代)  小さい子供~中高齢者(60代、70代)
性別 女性もいる ほぼ全員男
観覧席 なし あり

二つの福男選びには不思議な共通点も?

お、外国人の参加者もおられますね!

西宮神社の福男選びも西大寺の会陽も、宗教や国籍、年齢を問わず誰でも参加できる敷居の高くない祭礼なのです!

また、西大寺の坪井住職のお話にもありましたが、二つの福男の「福」の意味に「周りに幸福をお分けする」というニュアンスが強いのも共通項として考えられます。

実際に私(筆者)が西宮神社の福男を獲得した2018年は多くの方に「福」をお分けするべく、老人ホームや地域の運動会に自ら出向くといった活動もしておりました。その結果、多くの方が笑顔になって下さり「ありがとうな!」などといったお声掛けもいただきました。

ちなみに、周りに「福」が持たされた現実味のあるエピソードとしては、

・高校の恩師が結婚した

・先輩が大手商社のインターンに採用

・友達が宝くじに当たった

・アルバイト先の人件費に対する売り上げが全国一位(グループ会社内)

などが挙げられます!(意外とスゴいでしょ?)

 

共に大きな災害を受けた地域。被災地としての想いは…

筆者が福男になった兵庫県西宮市の西宮神社は「阪神淡路大震災」で大きな被害を受けました。

この西大寺が所在する岡山県でも皆様の記憶に新しい「西日本豪雨災害」が起きました。

西宮神社の福男選びは震災の影響で中止の可能性も示唆されました。

しかし、これらの祭礼から復興を盛り上げていこうという想いを込めて実行委員会の方が開催を決行したのです。

祭礼というのは「人をつなげる力」を持っていると考えます。

祭りがきっかけで人と人とのつながりが生まれることにより、それらが災害時に非常に役に立つと思います。

そんな想いもこれらの祭礼から感じ取ることができました。

当日の注意ポイント

会場に車の駐車場はありますが、直ぐに満車になります。付近も渋滞が発生し、岡山駅から通常25分ほどで西大寺に到着しますが、この日は50分ほどかかりました。

公共交通機関を利用するにしても、祭りの終了時刻が遅いため、事前に迎えにきてもらう、または近くのコインパーキングを利用するなどの計画を練ることが重要になると考えます。

はだか達専用の道があり、一般見学者は通れない道もありますのでご注意を!

西大寺会陽総括ぅぅ!

いかがでしたでしょうか?

西大寺会陽の現場を実際に訪れると、西宮神社の福男選びと同じく、関わる人々の情熱や震災復興への想いを感じることができました。

「はだか」たちによる宝木の奪い合いの迫力も、このお祭りの背景を知ることで何倍も楽しめるようになります。

午後10:00になった瞬間から会場の電気が消え、一気に勝負モードに。こちらまで緊張が走り、見ている方もハラハラドキドキ。

来年は実際に参加したいです!

この迫力は生で見ると大興奮します!

是非来年は皆さんで西大寺までお越しくださいネ!

 

あ、そういえば…

 

オマツリジャパンから参戦した菅原さんはどうだったのでしょうか?

皆さま、表情からお考えください。

 

…(苦笑)

 

残念ながら福男獲得ならずだったようです。お疲れ様でした!

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