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運営資金は有料チケット!リスクがあっても最高の花火大会を作る、「三陸花火」主催者の思いとは?

2022/8/25
2024/5/7
運営資金は有料チケット!リスクがあっても最高の花火大会を作る、「三陸花火」主催者の思いとは?

全席有料のエンタメ花火大会がある。どういう印象を持つだろうか?

「花火ってチケット買ってまで見る?」と、ピンと来ない人もいるかもしれない。何が違っていて、どんな体験ができるのか?

今回、花火プロデュースカンパニーFIREWORKS株式会社代表の浅間勝洋さんにその魅力を伺った。浅間さんは東日本大震災後のボランティア活動をきっかけに岩手県陸前高田市に移住を決断。そして「三陸花火競技大会」「三陸花火大会」など複数の花火大会を立ちあげ精力的に活動されている。

次回の「三陸花火競技大会」が2022/10/8に迫る中、都内某所にてオマツリジャパン編集部と共にインタビューを行なった。

FIREWORKS浅間さんインタビューに応じていただいたFIREWORKS株式会社代表の浅間勝洋さん。

リスクの裏に最高の花火あり?「三陸花火」の魅力とは

―― 本日はよろしくお願いします。それではまず、三陸花火競技大会ならびに三陸花火大会と、全国でやっている一般の花火大会の違いを教えてください。

浅間さん:特徴的なのは民間の興行としてやっていることです。なので、補助金、つまり自治体のお金を使っていません。あと協賛金も寄付金も地元で無理に集めたりはしてないんですよ。運営資金は基本的にチケット収入なんです。

―― そんな花火大会は珍しいですね。

浅間さん:ええ。だから普通の花火大会にならないようにプロモーションも集中的に、若い人をターゲッティングして、音楽も若い人が喜ぶ内容になってて、デザインもなるべく若い人の好みにして満足度が高まるように考えています。民間の興行なので自由に花火大会を作ることができるメリットもあります。

―― 逆にチケット収入での運営だからこその課題や難しい点はありますか?

浅間さん:主催者としてはリスクがめちゃめちゃ大きくなりますね。例えば台風が来て中止にでもなれば、こちらが全部負担をしなければならなくなります。でも、そのリスクを周囲の人々が分かってくれれば「もうちょっと協力しなきゃいけないのではないか」となってくれます。例えば市や商工会などの方と事前に雨天時の対応について話をするときも「僕たちの場合は延期したらすごい費用がかかるので多少の雨でも実施させてもらいます」と話をしてリスク面も共有しています。

―― チケット以外にお金が入ってませんとなると、花火のランクが下がるんじゃないかと思う人もいるかもしれません。

浅間さん:いやいや、僕いろんな花火大会を回ってますけど三陸花火の規模は全国トップレベルだと思うんですよ。それは実際に打ち上げ現場にも入って見てきてるんで。ボリュームとかクオリティには本当にもう絶対的な自信があります。

実は浅間さん、花火師の資格も取得済み。各地の視察だけでなく現場の手伝いもこなし、確かな見識を持っている。

―― これまで見た人からの反応はどんなものがありますか?

浅間さん:はい、基本的にSNSはめっちゃチェックしてどういうコメント書かれているか全部見てます。あと今の世の中みんなインスタとかYouTubeに上げてくれるんで、あれは効果でかいですね。三陸花火の動画を見て感動して泣いちゃってチケット買ったって言った人がいて。

打ち上げ担当は内閣総理大臣賞など数々の受賞履歴を持つ、カリスマ花火師集団の株式会社マルゴー。色鮮やかで極上の花火が繰り広げられる。

浅間さん:だからそういう意味では花火代は絶対ケチっちゃいけないです。例えば焼肉屋で内装も接客も全部いいのに肉の質が悪いっていったらその店には行かないですよね。じゃなくて頑固親父の態度が悪くてもめちゃめちゃ美味い肉を食えるならお客さん入るじゃないですか。だからそこはケチっちゃいけない。それはみんな口コミでね、投稿してくれる。厳しい意見がありつつも『だけど花火は最高だった』って。

花火プラス地域の魅力!三陸花火ならではのこだわりは?

―― フードブースには地元の飲食店が出店しています。そういうところも特色ですか。

浅間さん:そうですね。花火大会で重要なのは僕は地域性だと思います。だから地元の食べ物は絶対に必要ですし、郷土芸能とかちょっとしたものが見れると、たとえ興味が薄かったとしても「三陸来たなぁ」って感じてもらえる。

三陸グルメを楽しめる充実のフードブース

浅間さん:花火のプログラムにも地域色を出すパートがあって、地元出身アーティストの曲を使うとか、今年だと大谷翔平くん(岩手県奥州市出身)とか佐々木朗希くん(岩手県陸前高田市出身)とか野球界でめっちゃ活躍してるので、選手の登場曲を使うとか。そういう『あー岩手来たんだなあ』っていう感じは必ず出します。

編集部:風光明媚さとか自然の豊かさも陸前高田の魅力で、初めて来た人はびっくりでしょうね。気候も良いし、あと食べ物も美味しい、人も優しいです。10月はまだ紅葉は始まってないぐらいですが、逆にリアス式海岸の緑と青のコントラストはまだ楽しめるかもしれないですね。

陸前高田湾の一望会場近くの展望スポットからは陸前高田に広がる広田湾を一望できる

浅間さん:(笑)海岸線、縦にめっちゃ長いですからね。陸前高田は牡蠣も食べられるし、ちょっとずれたら紅葉始まってる地域もあります。

編集部:話してたら行きたくなりますね!いや、必ず行きます!

おすすめの観覧チケットは?全国からのバスも!

―― 広大な敷地の会場にいろいろな種類のチケットがありますね。座席数が昨年から大幅に…。

浅間さん:花火の目の前の席を増やしました。花火をあまり見ない人にこそ、1回でいいからその席に座って欲しいです。三陸花火のすごさのひとつは迫力なんですよ。最前列で絵的にきれいに見えるかは置いといても、ラストは爆風で全員のけぞる。1回体験してもらいたいなあ。あと、会場に奥行きがあるので少し離れて全体をいいバランスで見たい人にももちろん対応できます。

―― ドライブインコーナーもありますね。

浅間さん:最初はコロナ禍で接触を減らすために始まったんですけど、体の不自由な方や小さなお子さん連れの方にもすごく喜んでいただけました。実はあの場所を求める方は沢山いるんだなあと分かって継続してるんです。

―― がぜん興味が出てきたんですが、実は私クルマ持ってないんですよね…。

浅間さん:それだったら、今回は全国からバスで来れますよ。ウィラーエクスプレスさんと提携して全国10か所、一番遠いところは兵庫県から来れます。

―― えっそうなんですか?チケットも込みですか?

浅間さん:はい、チケットも込みです。さすがウィラーさんで、いろんな組み合わせで買えますよ!直通もあれば例年通りのライナーバスもありますし、行き・帰りの片方だけでも買えます。

―― あっ、自分の都合でもう1日延長して遊んでもいいんですね。

浅間さん:そうです。これは画期的です。

このツアーは、『出発地と宿泊の有無を選べる!三陸花火競技大会2022コラボアクセスツアー!』(https://travel.willer.co.jp/entertainment/sanrikuhanabi2022/)から申し込める。

公式の販売サイト(https://hanabi-fireworks.shop/)と合わせてチェックしよう。

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浅間さんが花火と地域にかける思いとは

―― 今回のお話の中で『地域』という言葉が多かったと思いますが、浅間さんの中でその原動力ってどこにあるんでしょうか?

浅間さん:うん、もうすげえいい人感だしちゃいますけど(笑)、喜ばれるとか、人のためになるっていいですよね。ただ単に都会で花火公演するでもいいんですけど、それだと見に来た人が面白かった、興奮した、で終わってしまいます。ところが地方で少子高齢化問題を抱えて過疎化しているような地域では花火っていうコンテンツが起爆剤になって地域が少し元気になるんです。それに物理的にでっかい玉を打ち上げるには広い場所が必要なので、花火のポテンシャルを最大限発揮できるのも地方です。相乗効果で花火師もやりたい放題打ち上げて、見たお客さんも喜んで、地域も潤います。

FIREWORKS浅間さん花火と地域の関わりについて語る浅間さん。

―― お話を聞いていて、これはお金をかけてでも行かなきゃなと思いました。

浅間さん:本当に僕も思うんですよね。『花火は無料が当たり前だった』って、ちゃんと考えれば無料なわけないよなって。花火師さんの仕事ぶりを見せられたら、これは大変だって分かります。だけど花火師さんは職人気質だし単純にみんなが喜んでくれればいいって考えの人たちだから、そこは主催者側がちゃんとお金をかけて、ちゃんと対価を払って、もっといい花火を打ち上げてもらう。それが理想です。

―― うーん、よく分かりました。最後にこの記事を読まれる方にメッセージをお願いします。

浅間さん:メッセージになるか分からないですけど、日本の花火のすごさとか良さをもう一度見直してもらいたいですね。日本の花火は皆さんの多くが知らないレベルに行っていて、世界の中で日本が圧倒的なものを持っている「財産」であるということを、まずは知ってほしい。そういうのが見られるのはやっぱり有料観覧席です。

―― ありがとうございました。期待値がどんどん上がってます。

浅間さん:上げてもらって大丈夫です!

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