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2007年10月14日に、さいたま市大宮に開館した鉄道博物館
10月14日は鉄道の日です。明治維新直後の1872年の10月14日に、日本最初の鉄道が新橋~横浜間に開通したことを記念して1994年に定められました。記念日の設定から13年後の2007年10月14日にはさいたま市大宮に鉄道博物館が開館しました。2021年の鉄道の日で14周年を迎える博物館は、鉄道ファンにとっては繰り返し訪れても新しい発見に気づかされる施設です。オープン後の2017、2018年にはリニューアルが行われ、グレードアップしています。
この記事では2015年の取材時の写真が含まれるため、現在とは展示方法など異なる場合がありますので、事前に鉄道博物館ホームページでご確認ください。
鉄道博物館に公共交通機関を利用して訪れる場合、JRや私鉄のターミナル駅が集中する大宮駅から埼玉新都市交通システムのニューシャトルに1区間、乗車するのが便利でしょう。鉄道博物館駅からは駅舎の外壁のような塀に沿って歩くと博物館の入口です。
鉄道開通以来、日本中を走り回った電車が視界を覆い尽くす車両ステーション
エントランスゾーンから南に隣接する車両ステーションに足を踏み入れると、鉄道ファンにはたまらない光景が広がることでしょう。鉄道の開通以来、日本中を走り回った電車の車両が視界を覆い尽くすのです。早く車両に近寄って間近で眺めたくなることでしょう。
1964年の東京オリンピックの開幕直前に開通した東海道新幹線の当初の車両や、東北新幹線の最初の車両には歴史感が漂います。新幹線の路線拡張によって在来線から姿を消してしまった特急や寝台特急の車両からは日本の高度成長期の旅情が滲み出てくるようです。
現在の鉄道は全て電化されていますが、蒸気を動力として走り始めたことを忘れることはできないでしょう。車両ステーションには1872年の10月14日に新橋~横浜間を走った日本最初のSLをはじめ、鉄道の開業から改良が加えられたSLが数多く展示されています。機関車の各部分の働きを解説するボードを見れば、蒸気が魔法のように産み出すパワーに驚かされることでしょう。
C57 135形SLの転車台回転の実演
車両ステーションでは現役を終えた車両が静止していますが、平日の15:00には館内に汽笛の音が響き渡ります。ステーションの中央に設けられた転車台に展示されるC57 135形のSLが回転するのです。転車台回転の実演が行われているときは、SLの周辺ばかりでなく、吹き抜け2階のフロアからも大勢の人々が巨体の動きに目を見張ります。
フロアやショップに溢れる鉄道関連グッズ
車輪が回転することがなくても、かつて全国に張り巡らされた線路の上を走っていた車両からはエネルギーが溢れ出てくるようです。博物館の2階には鉄道ジオラマが組み立てられ、ミニチュアサイズの列車がリアルに動きまわります。総延長約1200メートルの線路を、80~90分の1の模型車両が極めてアクティブです。2階や3階のフロアには鉄道関連の展示物が並び、交通に関する知識を広げてくれます。またD51シミュレータなどでは、機関士の体験をすることもできます。
鉄道に関する展示物が並ぶ鉄道博物館のミュージアムショップの店内は、鉄道関連グッズが溢れています。駅弁店も設けられ、お気に入りの弁当を選んで屋外施設のパークゾーンで味わえば、旅行気分に浸ることができるに違いありません。
鉄道博物館が建つ大宮に社殿を構える氷川神社で開催される大湯祭
鉄道博物館が建つ大宮には、2400年を超える歴史をもつと伝わる氷川神社が社殿を構えています。一年を通して多彩な行事が行われ、特に12月上旬に開催される大湯祭では酉の市が立ち、大勢の人々で賑わいます。熊手の市がぎっしりと並び、商売繁盛の縁起物が参道にはみ出してきます。グルメ屋台も数多く出店しているので、食べ歩きも大きな楽しみとなることでしょう。
10月14日は鉄道の日です。記念日設定の13年後の2007年10月14日には鉄道博物館が、さいたま市大宮に開館しました。館内には明治維新直後の1872年に開通した鉄道に関する展示物が溢れています。SL、特急列車、寝台列車などを順に眺めると鉄道や科学技術の発展をリアルに体感することができます。