山科義士まつりは、京都市山科区全体を挙げて行われるお祭りです。
東映の協力により、お祭りに出演する方々が赤穂義士47士に扮して毘沙門堂〜大石神社の約6㎞の行程を練り歩きます。毎年12月14日に行われ、今年は平日である木曜日に開催されました。
今回の現地レポートでは、山科の街を歩く義士隊の様子などをご紹介。特に沿道で行われる勝どきにも注目です。
目次
山科義士まつりは京都市山科区の冬のお祭り
山科義士まつりは、京都市山科区で行われる年末の風物詩です。このお祭りは、高度成長期に急激に人口が増えて発展した山科地域の連帯感とコミュニティづくりを目的に、昭和49年(1974年)から始まりました。東海道線の電化を祝うために義士行列を行ったことをルーツに、今回で47回目の開催となります。
しかし、なぜ京都市山科で義士の祭りが開かれるのかというと、大石内蔵助が山科に隠棲した史実があり、赤穂義士たちと共に12月14日に討ち入りをしたことにちなんでいるからです。
この日は、毘沙門堂を出発するあたりの朝の気温が10℃くらいでしたが、お天気も良く気持ちの良い青空で気温も上がり、風が吹いてもそよ風程度だったので、そこまで寒さをつらく感じることはありませんでした。
出発地・毘沙門堂に義士隊が勢ぞろい
山科義士まつりの義士隊行進の出発地点はJR山科駅から約1㎞の距離にある毘沙門堂です。
毘沙門堂ではお祭り開始の際に「出発式」が開催されるのですが、出発式の前に「京都市東部文化会館」の舞台上で行われる、義士隊と東映の役者さんによる演技等のリハーサルが開始されました。
大石内蔵助が登場しました。
動きだけではなく、実際に台詞も言って入念なリハーサルが行われます。
左端の人物は山科区長で、義士隊とともに行列や舞台にも参加されていました。
出発式は山科義士まつりの始まりの合図
舞台用のリハーサルが終わったので、出発式です。出発式では、京都市長をはじめとする、お祭り関係者のあいさつがありました。
勝どきをあげていよいよ、山科義士まつりの始まりです。
観客の待つ住宅地に向けて歩みを進めます。
沿道での勝どきに注目!
毘沙門堂〜大石神社までの道のりを練り歩く義士隊は、途中の数か所で勝どきのパフォーマンスをします。
沿道の大勢の方々が勝どきの姿を見守ります。
勇ましい勝どきが行われたため、なかにはびっくりして泣き出す園児もいましたが、終わったあとに園児たちは「頑張ってね」と義士たちに手を振りながら声を掛けていました。
学校帰りの小学生たちの前での勝どきの様子。子どもたちは熱心に見守ります。
子ども音楽隊・義士隊
山科義士まつりではおとなの出演だけではなくて、子ども音楽隊・義士隊による行進・出演もあります。
休憩中のおとな義士隊を待つ子ども義士隊。子どもの義士隊もちゃんとひとりひとり、役名が与えられています。
手に槍を持ちます。
おとな義士隊の行列の後ろに、子ども音楽隊・義士隊が加わります。
子ども音楽隊・義士隊の様子を動画に収めました。
12/14 山科義士まつりにて、子ども音楽隊・義士隊が行列を作り歩く様子です。#山科義士まつり #オマツリジャパン pic.twitter.com/ooTlfHxvtx
— ゆうみ (@hi103026) December 25, 2023
おとなも子どもも、全員写そうと思うとすごい人数です。
義士隊と共に歩く婦人列のみなさん
最終目的地である大石神社に向けて歩くのは、義士隊だけではありません。こちらの婦人たちも義士隊とともに歩きます。
婦人列のみなさん
大石神社まで、いよいよ残すところ約1kmという地点で、あるできごとが起こりました。
園児たちの「頑張って!」という大声援に、義士隊のみなさんも勇ましい表情から柔和なお顔に。
最終地・大石神社での勝どき!
出発地点の毘沙門堂から、約6キロの道のりを歩いた義士隊による最後の勝どきです。
このときの様子を動画に収めました。
12/14 山科義士まつりにて、最終地点の大石神社での勝どきの様子
「エイ、エイ、オー!!」#山科義士まつり #オマツリジャパン pic.twitter.com/jdZSbiaWMR— ゆうみ (@hi103026) December 25, 2023
記念撮影です。山科義士まつりに出演したみなさんをはじめ、お祭りに関わる全ての方々、朝早くからお疲れさまでした。
山科義士まつりは、山科区全体を挙げて行われ、沿道での勝どきのパフォーマンスに注目のお祭りです。次回開催の際には、ぜひ山科義士まつりに足を運んでみてください。
<参考資料>
写真集『モノクロームヤマシナ 未来へつなぐ山科の記憶』山科区役所区民部まちづくり推進課, 平成18年3月