山梨県富士吉田市で毎年8月に開催される吉田の火祭り。残念ながら2020年の本年は、コロナウイルスによる感染症拡大の影響により、神事のみの実施とされ、中止が決定しました。記録が残っている限り、400年前から続くとされる吉田の火祭りですが、中止となったのは史上初!
吉田の火祭りを楽しみにしていた人からはがっかり、残念と言う声が多数。2019年に吉田の火祭りを密着取材させてもらった私も、とても悲しいです。
しかし、悲しんでばかりもいられない!そこで、なんとかリモートで楽しむ方法を考えて実践してみましたのでレポートしたいと思います!
動画鑑賞で脳内「吉田の火祭り」
吉田の火祭りは、富士山の麓に鎮座する北口本宮冨士浅間神社で8月に行われるお祭り。別名「鎮火大祭」と言われ、富士登山のシーズンに終わりを告げると共に、富士山の鎮火への祈りを込めたお祭りです。
2基の神輿の渡御と、街中で焚かれる松明が見どころとされ、祭りの運営の一切を「世話人」と呼ばれる14名の男性たちが取り仕切ります。
「祭典世話人」制度についてはこちらの記事をご覧ください!
YouTubeにはこれまでに撮影された吉田の火祭りの動画が多数!中にはドローンで撮影された動画も。松明が燃え盛る富士吉田市の街並みの向こうに、富士山のシルエットが浮かび上がる様子はとても幻想的。荒々しい神輿渡御や松明点火の様子も必見です!
こちらの記事でも吉田の火祭りを紹介していますので、是非読んでみて下さい。
「吉田の火祭り」の見どころを、元:富士吉田市民に聞いてみた?!
「吉田の火祭り」の歴史を神職に聞いてきた!ディープな見どころをご紹介!
神輿渡御を自宅で再現?!
吉田の火祭りと言えば、2基の神輿の渡御!明神型の神輿に加え、富士山型の「御山」神輿の渡御が行われることで知られています。富士山型神輿は、渡御の途中で地面に叩きつけるのが特徴。これは富士山に擬似噴火してもらうことで鎮火への祈りを込めているんだとか。
これを自宅で再現するために用意したのは富士山型のロウソク。より実物に近づけるために赤く塗装してみました。
因みに、本物の富士山型神輿は「カシュー」という、漆に似た塗料で塗装されているそうです。(今回はそこまで再現は出来ず。。)
松明点火を自宅で再現?!
2019年に吉田の火祭りを取材させていただいた際、世話人OBの方がご好意で作ってくださったミニチュア松明。本物の10分の1のサイズで作られており、私の名前が入った芳名板まで忠実に再現されています。
世話人とOBの皆さんについてはこちらをご覧ください!
「吉田の火祭り」祭りを伝え、残すために。祭典世話人制度とOBたち
<インタビュー>「吉田の火祭り」世話人相談役:坂田睦夫さん|祭りの継承、背中で示す
さすがにミニチュア松明はもったいなくて燃やせませんので…富士山のロウソクに火を灯し、富士山の鎮火を祈りました。
本物の松明制作現場については、こちらの記事をご覧ください。
<インタビュー>「吉田の火祭り」松明職人:和光信雄さん|松明造りの昔と、今。持続可能な松明造りとは?
近場の浅間神社にお参り
現地に足を運べなくても、「富士山の鎮火を祈る」という吉田の火祭りに込められたお祭り本来の意味に立ち返ることが出来ないだろうか…と、考えを巡らせた結果、「そうだ!近場の浅間神社にお参りしよう!」と思い立ち、自宅近辺の浅間神社にお参りすることにしました。
とは言え、東日本を中心に全国に多数ある浅間神社。どこに行ったら良いのやら。そこで、オマツリジャパンで一緒に働いており、民俗学に精通しているザキヤマ先生に質問したところ…品川神社が良いのではないか?との回答が!ということで、行ってきました品川神社。
品川神社の境内に「浅間神社」と「富士塚」が作られていました。
ちゃんと「一合目」など、標高に応じた表示が!本物の富士山みたいですね。
この日はあいにくと富士山を見ることは出来ませんでしたが、京急を臨むにはとても良い場所(笑)
せっかくなので、参拝の証に御朱印を頂いてきました。
終わりに
今回は吉田の火祭りの「鎮火大祭」という祭りに込められた本来の意味に立ち返り、近場の浅間神社にお参りをして富士山の鎮火を祈り、自宅で神輿渡御、松明点火の再現を試みました。
今回の記事作成をきっかけに、浅間神社が東日本を中心に数多く存在することや、富士山を模って作られた富士塚の存在など、これまで知らなかった発見も!
新型コロナウイルスの影響で祭りが相次いで中止となっていますが、本質に立ち返る良い機会なのかもしれません。
通常開催される際には、ぜひ現地に足を運んでいただき、祭りはもちろん山梨を周遊して楽しんでいただければと思います!
吉田の火祭りが開催される富士吉田市のB級グルメ「吉田のうどん」についてはこちら。