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高麗文化を体感?埼玉県日高市で高麗の歴史とストーリーに触れるおすすめスポット3選

高麗文化を体感?埼玉県日高市で高麗の歴史とストーリーに触れるおすすめスポット3選

埼玉県の南西部にある日高市。都市近郊でありながら自然に恵まれ、四季折々の魅力を求めてレジャー客で賑わう街です。

そんな日高市では、「高麗(こま)」という地名や、「高麗神社」や「高麗川」などの名称を目にします。これは、古代朝鮮半島「高句麗」と深い関わりがあったことを表しており、合わせて同地に高麗人が移住してきた歴史を示すものでもあります。

716年に「高麗郡」が置かれて高麗人達が移住して以来、1300年あまりが経過しましたが、日高市にはそんな高麗の歴史や文化をいまでも体感できるスポットがあることをご存知でしょうか。

この記事では、埼玉県日高市で高麗の歴史や文化に触れることができる施設を3つピックアップしてご紹介します。

高麗人移住の歴史とは?

高麗人の「高麗(こま)」は紀元前37年頃~668年まで主に朝鮮半島北部から中国東北部にかけて繁栄した「高句麗(こうくり)」のことを指します。日本では高句麗を「高麗」と記し「こま」と称しました。高句麗滅亡前後、多くの高句麗人が海を渡り日本へ渡来しました。日本では高句麗からわたってきた人々を「高麗人=こまびと」と呼んでいたのです。

高麗人たちは、以前は東国7ヶ国(駿河、甲斐、相模、上総、下総、常陸、下野)に住んでいました。現在の県名でいえば、静岡、山梨、神奈川、千葉、茨城、栃木となります。霊亀2年(716年)5月16日、大和朝廷は入間郡の一部に広がっていた空閑地を高麗郡とし、高麗人1799人が移住しました。彼らは生活の基盤を整えつつ、郡役所の建設、道路の敷設など郡として必要な整備をしたと思われます。

高麗郡初代郡司の高麗王若光(こまのこきし じゃっこう)が没した後、高麗郡の住民が若光の御霊を祀るために建立した高麗神社、僧勝楽が若光の菩提を弔うために建立を発願した高麗山聖天院勝楽寺が日高市新堀に存在しています。その他にも、日高市と飯能市を中心に高麗郡建郡当初のものと思われる遺跡や遺物が発掘されています。

高麗神社

高麗神社

元正天皇霊亀2年(716年)武蔵国に新設された高麗郡の首長として当地に赴任してきた高麗王若光(こまのこきし じゃっこう)は、未開の原野であった当地に大陸文化を伝え、各地から移り住んだ高麗人(高句麗人)1799人とともに当地の開拓に当たりました。
若光が当地で没した後、高麗郡民はその徳を偲び、御霊を「高麗明神」として祀り高麗神社が創建されたといわれています。
高麗神社は、若光の子孫が代々宮司を務め、現宮司は60代目になります。
「出世明神」と広く知られ、現在は年間約40万人の参拝があります。

聖天院

聖天院

聖天院桜

高麗山聖天院勝楽寺と号し、山門の独自の美しさと厳かな雰囲気に胸を打たれます。春の桜の季節には池に映る桜がとても見事です。
日本に移住した高麗人達の菩提寺(ぼだいじ)として建立されたもので、不動明王、聖天尊を祀っています。 山門は1832年(天保3年)に6年の歳月を費やして完成したといわれ、瓦葺きの総欅造りで重厚な建造物です。
また、山門の右側には、当時最も進んでいた大陸文化をこの地に広めたと言われる一族の統率者若光(じゃっこう)の墓があります。

高麗郷民俗資料館

高麗郷民俗資料館は無料で入館できる日高市立の公共施設。市の歴史を物語る貴重な財産として民俗資料を大切に保管しています。

発掘調査により高麗郡に関係するさまざまな資料が出土しているため、高麗の歴史・文化に関連する展示物も豊富にあります。中でも高麗郡の役所に関連する重要な資料が、高萩地区の拾石(じゅっこく)遺跡、王神(おうじん)遺跡、堀ノ内遺跡から発見されています。

資料館には、これらの発掘調査の成果を基にした、古代高麗郡に関する「古代高麗郡集落ジオラマ」が展示されています。

古代高麗郡集落ジオラマ古代高麗郡集落ジオラマ

施設情報
住所:埼玉県日高市大字梅原2
電話番号:042-985-7383
交通:JR高麗川駅下車 徒歩30分
もしくは、飯能駅行き「高麗小学校前」下車1分、西武池袋線高麗駅下車 徒歩15分
もしくは、高麗川駅・埼玉医大行き「高麗小学校前」下車1分
開館時間:午前9時から午後5時まで(最終入館は、午後4時30分)
休館日:月曜日(祝日と重なる場合は開館し、火曜日が休館)
国民の休日(9月23日の秋分の日は開館します)
年末年始(12月29日から1月3日まで)
料金:無料
ホームページ:https://www.city.hidaka.lg.jp/soshiki/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/rekishibunkazai/22057.html

(※2022年3月現在の情報です。)

合わせて楽しみたい、四季の巾着田

高麗の歴史・文化とともに楽しんでいただきたいのが、日高市の豊かな自然。代表的な観光スポットとなっている巾着田は四季を通じて季節の花を楽しむことができます。秋の曼珠沙華(まんじゅしゃげ)群生地は辺り一面が真紅に染まり、まるで赤い絨毯(じゅうたん)を敷き詰めたようです。

曼珠沙華秋に見頃を迎える曼珠沙華

曼珠沙華秋に見頃を迎える曼珠沙華

菜の花と日和田山春に見頃を迎える菜の花

コスモス秋に見頃を迎えるコスモス

前述の高麗郷民俗資料館の裏手を出てすぐ。徒歩1分の場所に位置しますので、合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。

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