大事なお子さんの晴れ舞台“七五三”。でも自分の経験がはるか前のこともあって、何をすればいいのかはっきりとわかっていない親御さんが多いのではないでしょうか?
「最初は三歳、その次は男女によって変わってくる」まで知っていても、その三歳っていったいいつなのでしょう? 昔ながらの「数え年」?それとも現代風の「満年齢」?何を着て、どんなスケジュールで動けばいいの?などなど、考え始めると疑問と不安はつきません。
本記事では、心配事だらけだけれど失敗もできない七五三について、由来にふれつつわかりやすく解説していきます!
(2021年11月9日 編集部更新)
数え年・満年齢、実はどちらでもOK?
まずは一番大きな問題、七五三を行うタイミングについて。結論からいうと、七五三を行う年齢は、数え年・満年齢どちらでもいいんです。
もともと七五三は、江戸時代ごろから明治時代にかけて一般の庶民へ広がり始めた行事。当時は数え年で年齢を換算するのが主流であったため、七五三などの行事にも数え年が用いられていました。
しかし第二次世界大戦以降、満年齢の考え方が主流となったことで、環境が変化。満年齢での七五三も行われるようになりました。そのため現在は、時代に合った満年齢での七五三か、昔ながらの数え年での七五三、どちらか好きな方法を選んで行う行事となっています。
ただし数え年で行う場合、満年齢と比べて満年齢換算で1~2歳幼くなってしまうため、お子さんへの負担が増えます。せっかくの晴れ舞台が嫌な思い出になってしまう可能性があるため注意しておきましょう。
数え年と満年齢の数え方は?
満年齢とは、生まれた日を0歳とし、誕生日が来るごとに歳を1つとっていく、なじみのある歳の数え方。2023年11月1日に生まれた赤ちゃんは、2024年11月1日に1歳となります。
いっぽうの数え年とは、戦前に用いられていた年齢の数え方。生まれた瞬間を1歳とし、元日が来るごとに歳を重ねていきます。例えば先ほどの例でいうと、2023年11月1日に生まれた赤ちゃんは、生まれたときですでに1歳。さらに2024年1月1日を迎えると2歳となります。特殊な換算方法によって、満年齢と数え年とでは、年齢に1~2歳の差が生まれてくるのです。
七五三の起源?七・五・三歳でおこなう3つの行事
七五三の起源とされているのは、平安時代ごろに公家社会で行われていた“髪置き”・“袴着”・“帯解き”という3つの儀式。当時の日本では、子どもの死亡率がとても高く、健康に過ごし大人になる、ということがとても難しいものでした。
そのため子どもが縁起のいい数字・奇数の年齢に達すると、これまでの成長に感謝し、これからの健康を願う儀式を行うようになったのです。
・髪置き……3歳男女が行うもので、生まれてから健康を願って剃っていた髪を、3歳になったのを機に伸ばし始める儀式のこと。
・袴着……5歳になった男の子がはじめて袴に足を通す儀式。
・帯解き……7歳女の子が、それまでつけていた簡易式の帯ではなく本式の帯を用いて着物を着つける儀式。
3つの儀式は別々の儀式でしたが、江戸時代中期ごろ、庶民にそれぞれの行事が広まるにつれて融合。やがて明治時代には現在のような形の七五三となっていきました。
日にちは、平安時代当初11月周辺とあいまいなものでしたが、一般市民まで七五三が広がった江戸時代中期には11月15日に定まっていたようです。
由来については様々な説が存在。有力とされているのが、5代将軍・綱吉が長男・徳松の髪置きの儀を11月15日に行ったからという説。江戸の住民たちは将軍様にならい、次第に全国へ広がっていき、七五三は11月15日に行う、と認識されていったというわけです。
また興味深い説として、11月15日が“鬼宿日”だったからという説があげられます。鬼宿とは、星座を使って現在地や季節を知る、“二十八宿”という考え方のなかの一つ。それぞれに吉凶が当てはめられており、鬼宿は鬼が住処に戻る日と解釈され、婚姻以外には大吉といわれていました。
真実は定かではありませんが、もしかしたら将軍様も、鬼宿日の縁起にあやかっていたのかもしれませんね。
これで安心! 七五三のやることリスト
さて、ここまで行う年齢や日にち・意味合いを確認してきた七五三。実際は、どのような行事を行えばよいのでしょうか?
・参拝
神様に、子どもが無事成長したことを感謝し、これからの健康を願います。以前はその土地の神様・氏神様が祀られている地元の神社が一般的でした。しかし現在は神田明神や湯島天満宮、明治神宮など大きい神社で行うケースも増えてきているようです。またお寺で七五三を行うことも可能です。家とゆかりがある場所がいい、せっかくだから有名な場所でしたい、など家族のニーズにあった神社・お寺を探してみるのが良いでしょう。
・着つけ
3歳・男の子のみが行う5歳・女の子のみが行う7歳でそれぞれ服装が異なります。3歳では、男女ともにお宮参りの衣装を仕立て直す場合も。5歳・7歳はそれぞれ大人の仲間入りを果たす儀式なので、しっかりとした和装が好まれています。また近年ではスーツなど洋装を身に着けるケースもあるようです。着物レンタルをしているお店も存在するので、困ったら相談してみるのもいいかもしれません。
・写真撮影
近年、七五三の目玉イベントとなりつつある写真撮影。参拝する神社・お寺で撮影したり、室内スタジオで撮影したり、といったケースが存在しています。良い写真を撮るためにも、着つけはしっかりとしておきたいところです。お子さんだけでなく、自身も一緒に写真に写る可能性があるので注意しておきましょう。
・日にち
一般的に日にちは11月の15日とされています。しかし最近は神社・お寺の混雑もあり、10月中旬あたりから12月上旬までの土日におこなっているご家族も多いそう。
・千歳飴
七五三の思い出といえばコレ、という方も多いのではないでしょうか? 長寿を祈るお菓子で、子どもの年齢の本数もらうのが本式です。
またこれ以外に、内祝いとしてお赤飯を炊いて身内に配る風習も存在します。
知れば知るほど納得の七五三情報
ここまでは七五三にやることやその意味について解説してきましたが、ひとつの記事では紹介できなかった七五三情報もたくさんあります。
女の子と男の子ではやることが大きく異なりますが、その意味や由来についても詳しく解説しました。
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おわりに
七五三とは古来より続く、子どもの成長を祝い感謝し、これからの長寿を願う行事の集合体でした。大切なのは、感謝と祈りの心。七五三の季節には、2つの心をしっかりと神様へ伝え、大切なお子さんとの思い出をつくりあげてみてはいかがでしょうか?