東京23区内で、自然の山としては標高約26mと一番高い「愛宕山(あたごやま)」。山頂までの急勾配の石段が「出世の石段」の名で有名ですが、上り詰めた場所にある愛宕神社で、2023年も6月23日(金)・24日(土)の9:00から18:00まで「千日詣り・ほおづき縁日」が開かれます。
出世の石段は、寛永11(1634)年の梅が満開の頃、将軍・徳川家光が現在も拝殿前にある梅の木を 「誰か、馬にて石段を上りあの梅を取って参れ」と命じたことが由来になっているそうです。家臣たちが尻込みするなか、ほぼ無名の丸亀藩家臣・曲垣平九郎(まがき へいくろう)が見事に馬で石段を上り下りして梅を献上します。家光公は平九郎を「日本一の馬術の名人」と讃え、その名は一日にして全国にとどろいたのだとか。
今年はぜひ、あなたも出世の石段をのぼってお出かけしてみてはいかがでしょう。ここからは、昨年2022年に開催された千日詣り・ほおづき縁日の、現地からの詳しいレポートをお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
港区・愛宕神社のお祭り
東京都港区の愛宕山に鎮座する愛宕神社。江戸幕府の開かれた1603年に、徳川家康によって防火の神様が祀られたことにはじまる神社です。主祭神は火産霊命(ほむすびのみこと)で、今なお東京の火伏せの神様として大切にされています。この愛宕神社で、夏を迎える6月23日、24日に毎年行われているお祭りがあります。「千日詣り・ほおづき縁日」です!
お祭りの初日である本日6月23日、愛宕神社へとやってきました。参道にはお祭りの開催を知らせる旗が掲げられ良い雰囲気ですね!
有名な出世の石段を登り、お祭りの会場へと向かいましょう!
ほおづきが並ぶ!
出世の石段を登りきった左手にほおづき縁日の会場が用意されています。
会場にはたくさんのほおづきが並びます!お好みのほおづきを見つけることができるでしょうか?
青々としたほおづきが連なります!
その中で顔を出す、橙色のほおづき。紅一点ですね!
青いほおづきですが、これから暑くなるにつれて段々と熟していき橙色も濃くなっていきます。お気に入りのほおづきを見つけたら、土が乾かないように水を与えて育ててみてください!
ほおづきと合わせて、風鈴の販売もありました。夏の到来を感じられますね!
購入したほおづきは、このように篭に入れてもらうことができます。
この装いで持ち運べると、さらに雰囲気が出ますね!
ほおづきを手に入れたら、社殿へと向かいましょう。ほおづきを受けると、お祓いをしていただくことができるんです!これは嬉しいですね!
初夏の風物詩として知られている愛宕神社のほおづき縁日ですが、その由来は江戸時代にまで遡ります。当時境内に自生していたほおづきを煎じて飲むと子どものかんの虫や婦人病に効くと言う話から、「霊験あらたかな愛宕のほおづき」としてほおづき縁日が立ったことにはじまるんだとか。ちなみに浅草のほおづき市も有名ですが、その発祥は愛宕神社なんですよ!
愛宕神社のあるのはオフィス街の虎ノ門や新橋に近いと言うこともあり、夕方になるとサラリーマンの姿も増えてきていました。
どのほおづきが良いですかねえ。と言ったお客さんと店員さんのやり取りも絵になります。
マイほおづきを手に入れた後には、このように持って東京の街を歩くのもかっこいいものです!
ぜひお気に入りのほおづきを見つけて、持ち帰ってみてください!
茅の輪くぐり、形代納めも
ほおづき縁日と合わせて、境内では夏の到来に向けた行いがされています。6月30日は夏越大祓の日ですが、その日に向けて茅の輪が設置されています。くぐって今年前半の厄を払いたいですね!
また社務所では千日詣り・ほおづき縁日に合わせて、特別授与品の頒布が行われています。茅の輪守りやほおづき守り、厄祓い水うちわなどをいただけますので、要チェックです!詳しくはホームページの情報をご覧ください。
また社務所では、形代をいただくこともできます。夏越の祓に、体験してみてはいかがでしょうか?
あじさいが咲く境内
連日暑い日が続き初夏の様相の都内ですが、愛宕神社境内ではまだきれいなあじさいを見ることができます!お祭りと合わせて、ぜひあじさいも楽しんでみてください!
鯉の泳ぐ池の周りにはがくあじさいがありました。
大輪を咲かせている場所も!
蹲(つくばい)にはあじさいが飾られていました。嬉しい演出ですね!
境内を回って、ぜひあじさいにも注目してみてください!
なお境内には茶店もあります。冷たいものも揃っていて、暑いこの時期にはありがたい存在ですね。ちなみに愛宕神社のある愛宕山は、東京23区内で一番高い自然の山なんです(標高25.7m)!そのためこの茶店が、23区内の自然の山の中で一番高いところにある茶店と言うプチ情報もありました。
帰りは一層その高さを感じる出世の石段。横には緩やかな女坂もありますので、場合に応じてそちらも利用しお帰りください!
周辺情報・アクセス
愛宕神社の裏側には、NHK放送博物館があります。なぜこんな場所にと思うかもしれませんが、実は愛宕山がNHKの発祥の地なのです!またそのため、日本で初めてのラジオ放送が発信されたのもこの地になります。日本の放送の歴史が学べますので、ぜひ愛宕神社と合わせてお立ち寄りください!
■愛宕神社へのアクセス
東京メトロ日比谷線 神谷町駅、虎ノ門ヒルズ駅より徒歩5分。
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅、都営三田線 御成門駅より徒歩8分。