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阿波おどりとは?踊り方・楽しみ方は?阿波踊りを現役の連メンバーが解説!

2019/3/3
2024/3/8
阿波おどりとは?踊り方・楽しみ方は?阿波踊りを現役の連メンバーが解説!

阿波踊りと言えばもちろん徳島。しかしその魅力は県内にとどまることはなく、今では日本全国で数十万人の踊り手/お囃子がいると言われています。

中でも大きいのが東京杉並区高円寺。実は60年を超える歴史があり、8月最終週末のお祭りには、100万人の観客が集まる、東の阿波踊り一大スポットです。

阿波おどり出典:Tyoron2 / Wikipedia

かく言う私もそんな魅力に取りつかれた一人。本場徳島へのリスペクトを胸に、年がら年中練習に明け暮れています。

「踊る阿呆に見る阿呆」と言いますが、観るのもやっぱり楽しい。観客の皆さんが盛り上がる姿は、踊り手にとっても何よりのエネルギー源なのです。

そんな「見る阿呆」にももっともっと阿波踊りの魅力を知ってもらいたい!この夏の阿波踊り観覧が百倍面白くなる、基本的な違いの見分け方を伝授します。

阿波おどりKPG_Payless / Shutterstock.com

阿波踊りのチームは「連」と呼ばれ、私たち踊り手/お囃子はどこかの連に属し年間を通じて練習をしています。それぞれの連には、独自の音、リズム、踊り方、演出があるので、複数の連を掛け持つことは基本的にありません。

何がどう違うの?その違いを知ると、観るのもぐっと面白くなる!基本的な違いをご紹介しましょう。

1.まずは基本。「男踊り」と「女踊り」

ほとんどの連は、腿までからげた浴衣か法被を着た「男踊り」と、浴衣に編み笠を身に着けた「女踊り」で構成されます。

男踊りの特徴は、力強く、ダイナミックに、自由に大きく踊る姿。

男踊り

男性のほか、女性が男踊りを踊る連も多くあります。こちらは、「女法被」と呼ばれ、女性らしさを活かした、粋でほのかな色気が感じられる踊りが特徴。

それに対し、女踊りの魅力は、集団美。上品でしなやかな動き、汗をかきながらも笑顔を忘れず踊り続けます。

女踊りRYUSHI / Shutterstock.com

阿波踊りを始めてみる方にもわかりやすいのが、この男女構成。「あ、この連は女法被がいるな。」とか「ここの男踊りは荒々しいタイプで、女性はいないな」など、観察すると少し連の違いが見えてきます。

また、衣装もそれぞれ。華やかな衣装、シックな衣装、帯の結び方も様々。ほかのお祭りとの違いを見比べるのも楽しいです。

2.「正調阿波踊り」2拍子と、「ニューウェイブ」の1拍子

400年の歴史を持つといわれる阿波踊り。お囃子は「鳴り物」と呼ばれ、古典的な「正調阿波踊り」は、大太鼓、〆太鼓、三味線、篠笛、そして指揮者の役割をする鉦(カネ)で構成されます。

正調阿波踊りの基本リズムは2拍子。「チャンカチャンカチャンカチャンカ」という、スタッカートを利かしたバウンスビートで踊ります。

それに対し、1960年代に始まった「ドカドカ系」とも呼ばれる「一拍子」。こちらは、とにかく大きな鉦を打ち鳴らし、場合によってはスネアドラムも使って、ガンガン盛り上げる!ストリート系阿波踊りです。

はい、見た目、結構恐いです。でも、超いい人たち。大太鼓の皆さんは、体を大きく上下させてリズムを取るので、観ているほうもそれに合わせて動けば、足を止めて盛り上げてくれますよ!

3.団扇?扇?提灯?小道具の違い

男女、リズムの違いが見えてきたら、小道具に目を向けてみましょう。

最も多くの連で使われているのが、団扇。帯を使って背中にさし、見せ場になると抜き出して使うことが多いです。連の名前が書いてあったり、金色に塗って派手に見せたり。

背中にさしているうちに汗でびしょびしょになるので、実は結構消耗品です。

次に多くみられるのが扇。蝶が舞うように、ひらひらと華麗に動かして使います。扱いも非常に難しく、少しでもずれると過剰に目立ってしまう、リスキーな道具でもあります。しかし、華やかさは一番。日本舞踊の動きを取り入れたり、様々な工夫がなされています。

そして提灯。こちらは「阿呆流」と呼ばれる荒々しい踊りで使われることが多いのですが、団扇や扇に比べて重い!美しく踊るコツは、常に垂直を保つこと。実際は豆電球で照らしているのですが、「火のついた蝋燭が入っていると思って振るように」と心がけて練習しています。

提灯Kobby Dagan / Shutterstock.com

4.「ヤットサー!」だけじゃない。コール&レスポンスで盛り上がろう!

阿波踊りの掛け声は「ヤットサー!」。これは実は鹿児島弁で「お久しぶりです。」「お元気ですか?」という意味(私は外国人にこの意味を聞かれるとWhat’s up?だ、と答えます。ファンキーだYo!)。

「ヤットサー!」と言われたら「ヤットヤット!」と答えるのが大定番。演舞場ではコール&レスポンスを楽しんでください(やっぱりファンキーだYo!)。

これが基本で、そのほかいろいろな唄があります。主に女性の高い声で唄われ、盛り上げたり、足取りをそろえたり、フォーメーションを変える合図に使われたりします。

代表的なのは、もちろん

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」

そしてよく使われるのが

「一かけ二かけ三かけて、仕掛けた踊りはやめられぬ。五かけ六かけ七かけて、やっぱり踊りはやめられぬ♪」

止まらないスピリットがよく表れています。

それから

「瓢箪ばかりが浮きものか。私の心も浮いてきた。浮いて踊るは阿波踊り♪」

これは女踊りの高い声にピッタリ。本当に心がウキウキするので大好きな掛け声です。

「お先の御方にお負けなや。わたしゃ負けるの大嫌い。負けてお顔がたつものか♪」

これも疲れた時のテンションを上げるのにもってこいです。

ほかにも自分の連の名前を挟んだり、男踊りの掛け声も「サー!」であったり「ヤット!」であったり(なんて言っているのかよくわからない)、それに合わせて声をかけるのもとっても楽しい。

掛け声も速くて威勢のいい連、ゆったりとして柔らかな連、いろいろです。お祭りではどんどん声を上げて、一緒に盛り上がってください。

阿波おどりcanyalcin / Shutterstock.com

もう一つ、大好きな掛け声に「手を上げて、足を運べば阿波踊り♪」というのがあります。難しそうに見えて、実はそこまでハードルの低い阿波踊り。

汗をかくこと必至!着替えとタオルをしっかり持って、あなたも踊る阿呆になってみませんか?

◆ 今すぐ踊る阿呆になりたくなったあなたに!「ベーシック阿波踊り講座」

ここまで読んだ方の中には、今すぐ踊りたくなってしまった方もいらっしゃるのでは?ご心配なく。私が書いたこちらの記事で阿波踊りの基本を解説していますので、ご一読あれ。
文中に動画も挿入してありますので、動画を見ながら体を動かしてみて下さいね。

<目指せ、踊る阿呆デビュー!初心者にも分かる「ベーシック阿波踊り講座」>の記事はコチラ

 

◆ 阿波おどりの歴史を紐解く!築城起源説?盆踊り?三大流派!?もっと学んで楽しもう!

徳島阿波おどりのルーツは400年前!?
こちらの記事では、阿波おどりの歴史、お囃子、三大流派と呼ばれる踊り方についてご紹介します。

<築城起源説?盆踊り?三大流派!?もっと学んで楽しもう!阿波おどりの歴史>の記事はコチラ

 

◆ ディープな見どころを知りたい方に!踊り手の1年の過ごし方

こちらの記事では、阿波おどりに没頭する踊り手・鳴り物の皆さんが、どのように一年を過ごしているのか?踊る阿呆の一年をご紹介しています。
阿波踊りのディープな世界への一歩を踏み出したい方に、是非読んでいただきたい記事です。

<徳島阿波おどり 踊る阿呆の一年を追え!踊りに賭ける一年をレポート>の記事はコチラ

 

◆ 阿波おどりファン必読!正調?ストリート派?違いを知って楽しもう

阿波おどりの魅力を知っていくと、実は同じ阿波おどりでも違いがあることが分かってきます。この違いが分かってこそツウというもの。基本構成を守る「正調阿波おどり」とストリート系「苔作調」と大きく2つに分かれるのですが…こちらの記事ではその違いについて解説した上で、楽しみ方も合わせてご紹介しています。
もっとディープな目線で阿波おどりを楽しみたい方は必読です!!

<正調?ストリート派?阿波おどりファン必読!違いを知って、観覧ベストスポットを選ぼう!>の記事はコチラ

 

◆ 徳島 or 高円寺? 阿波おどり2大中心地を徹底比較!

阿波おどりの本場はもちろん徳島ですが、その人気は北海道から九州まで全国に広がっています。
中でも人気があるのが東京・高円寺!
その高円寺の踊り手である私が、それぞれの特徴を徹底比較し分かりやすくご紹介。
「どっちで見るか?どう見るか?」あなたの疑問をズバッと解決します!

<徳島 / 高円寺!どう見る?どっちで見る?阿波おどり2大中心地 徹底比較!>の記事はコチラ

 

◆ 今年の開催は8月12~15日!本場「徳島阿波おどり」に行こう!

日時などの開催概要から、どこで見るかの解説、チケットや宿泊方法まで、徳島阿波おどりに行くためのポイントをまとめました。
今や全国に広がる阿波おどり。今年は本場・徳島で阿波おどりを楽しみませんか♪

<今年は本場で見る阿呆に!8月12~15日「徳島阿波おどり」に行こう!>の記事はコチラ

 

◆ 「阿波おどり」は夏休みの自由研究のテーマにもオススメ

小学生のお子さんをお持ちの家庭で多くの方が抱える悩みが、夏休みの宿題の「自由研究」。阿波おどり大好きな小6男子が、本場徳島へ行き、阿波おどりをテーマに自由に研究します!
親子でいろいろ学べる自由研究。この夏は、ぜひお祭りでやってみませんか。

<自由研究は祭りだ!親子で楽しむ自由研究「徳島阿波おどり」>の記事はコチラ

 

◆ 本場徳島に行きたくなったアナタに!阿波踊りと一緒に楽しみたい観光&グルメ情報

阿波おどりと言えば、本場は徳島。阿波おどり好きなら一度は本場に足を運んでみたい…と憧れるものです。
どうせ足を運ぶなら、観光やグルメも一緒に楽しみたいですよね。こちらの記事で詳しく紹介していますので、是非参考になさってください。

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