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八戸えんぶりで春を待ち焦がれる東北に思いを寄せる。厳冬の青森で行われるこの祭りの意味とは?

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八戸えんぶりをご存知ですか?これは、国の重要無形民俗文化財にも指定される郷土芸能。

きらめく烏帽子をまとい、凍てつく大地を摺る太夫の舞には、豊年を願い春を待つ、人々の願いが込められています。

青森県で暮らした経験を持つ筆者が、八戸市商工労働観光部観光課のインタビューを交え、この厳寒の地の祭りをご紹介します。

1.八戸えんぶりとは

八戸えんぶりとは、八戸地方に春を呼ぶ豊年祈願の郷土芸能。その名は田をならす農具「えぶり」や、「いぶり」(ゆすぶり)に由来するといわれ、冬の間眠っている田の神を揺さぶり起こし、田に魂を込める儀式とされています。

見る人の心をとらえるのは、「太夫(たゆう)」と呼ばれる踊り手。煌びやかな烏帽子をかぶり、凍てつく大地を揺さぶり、春を呼ぶ願いを込めて舞い(摺(す)り ...

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