新型コロナウィルス感染症が収まらない6月末、日本各地の神社で疫病を祓う「夏越(なごし)の祓」が行われました。
穢れを祓い疫病退散を祈るこの行事では「茅の輪くぐり」が行われます。 神社の鳥居などに設置された茅(ちがや)で作られた大きな輪を見たことがあるのではないでしょうか。これは素戔嗚尊の神話「蘇民将来」に由来します。 その昔、武塔の神(素戔嗚尊)が旅の途中に宿を頼もうと将来兄弟にお願いをしたところ、豊かな弟・巨旦将来は断り、貧しい兄・蘇民将来は宿を貸し御馳走でもてなしました。その恩がえしに蘇民に対し家族の腰に茅の輪を付けておくようと言いました。その後、茅の輪を持っていない巨旦将来の一族は、疫病で滅んでしまいました。そして「後の世に疫病があった時には、 ...