犬山祭が4年ぶりに帰ってきた
愛知県の北端に位置する犬山市。木曽川を挟み岐阜県と県境を接している市で、この川で行われる鵜飼は犬山の夏の伝統的な風景として知られています。また国宝に指定されている犬山城の城下町として発展してきた歴史があり、今に残る城下の街並みは多くの観光客を惹きつける魅力となっています。
今回ご紹介するのは、この犬山で毎年4月第一土日曜日に開催されている春のお祭り。その名も「犬山祭」です!新型コロナウイルスの影響で縮小開催を余儀なくされてきていましたが、2023年は実に4年ぶりでの通常開催となりました。それでは4月1日に行われた試楽祭の様子をご紹介していきます!
13輌の車山が集う
犬山祭は、犬山城跡に立つ針綱神社の例祭として開催されているお祭りです。そのはじまりは1635年と言われ、1641年には犬山祭の特徴の一つでもあるからくりの奉納も行われるようになり、ほぼ現在につながる形ができあがったと伝わっています。またお祭りは2日間に渡り開催され、一日目を試楽祭、二日目を本楽祭と呼んでいるのも特徴です。
犬山祭に欠かせないものは、13の町から繰り出す13輌の車山(やま)。午前中には各町から針綱神社を目指し、犬山城下町を巡行する車山の姿に出会うことができます!
犬山は、城下町の気風を今に伝える古い街並みがよく残っています。そこに色鮮やかな車山が進む様子は美しいですね!
2輌が連なる場面もありました。お囃子の音も響き盛り上がります!
車山の下層部に乗り太鼓を叩くのは地元の子どもたち。金襦袢の衣装がカッコいいのも見どころポイントです!
また犬山城下は桜の名所としても知られ、車山とのこんな共演も楽しめます。ちょうど満開を迎えた桜とのコントラストがたまりません!
毎年桜の時期に犬山祭が行われるとのことで、春の風物詩の風景となっています。
針綱神社のある犬山城はもうまもなくです。
さあ、針綱神社の鳥居前へと車山がやってきました!見せ場を迎えるため、多くの見物客が集まっています。
この場での注目ポイントが”車切“と呼ばれる車山の回転。ガガガという音を立てながら、車山を押し一気に回転させていきます!
肩を入れ、一気に回転させる男衆。迫力のある瞬間です!
犬山祭が4年ぶりの通常開催を迎え、13輌の車山が針綱神社へと集っています!
鳥居前で回転する姿は必見。お昼過ぎからはからくりの披露が行われて、夜には提灯へ火が灯り、幻想的なお祭りの風景が楽しめます!#愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/R16ayofXnj— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 1, 2023
続々と各町の車山が針綱神社前へと押し寄せ、車切を披露していきます。車山は三層になっているのですが、一番下に町名、一番上に車山名が記載されているのも犬山祭の特徴と言えます。こちらは余坂町のもので、車山名は宝袋ですね!
境内から見た様子はこんな感じ。鳥居と太鼓橋越しに、桜と合わせて楽しむことができました。
車切を終え、所定の位置へ並ぶ車山の数々。
舟形が特徴的な車山も1輌あります。新町のもので、車山名は浦島です。波の模様も目を惹きますね!
さあ、かなりの数の車山が揃ってきました!
犬山城前へ続々と集う車山。勢いよく回転させる様がたまらないですね!#犬山祭 #愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/9UQrB3tZXH
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 1, 2023
犬山城天守と車山を一辺に見て楽しむこともできます。
13輌の車山が揃ったところで、神事がはじまりました。
祝詞奏上やお祓いなどが執り行われていきます。
神事が終わると、時間はお昼目前に。ここからはからくりの披露へと移ります!
会場を盛り上げる見事なからくり
針綱神社へ向かう際には幕で覆われていた車山の最上部。神事の終了に合わせて、そのベールが剥がされました。中に存在していたのはからくりを行う人形。これは楽しみです!
最初にからくりを行ったのは熊野町。住吉・白楽天を披露していきます!
続いては鍛冶屋町です。石橋(しゃっきょう)と言う演目を見せます。
黒い大きな箱が現れたと思ったら、中から唐子人形が飛び出しました!変化の様子はぜひ動画でもご覧ください。
鍛冶屋町の車山がからくりを披露。見事箱の中から唐子人形が登場しました!#犬山祭 #犬山 #愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Gw6wKo0R3c
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からくりを披露した車山は、そのまま出発し再び城下町へと進んでいきました。
紅白の梅が春らしい車山の姿も。名栗町のもので、天神様で知られる菅原道真を題材にしています。
集まった皆様も興味津々で車山に注目!いつ、からくりの技が出るのかと目を離せないですね。
お次のからくりはアクロバティックな技を見せてくれますよ!上に設置されたバーが気になりますよね。
なんと、くるくる回るのです!技が決まると、おおーっと言う歓声が上がっていました。こちらは下本町の應合子と言う演目でした。
こちらも見事なからくり!一回転をばっちり決めました!#犬山祭 #犬山 #愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/L7yT2Kv7lk
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からくりを終えた車山は、再び針綱神社の鳥居前で車切を行い、城下町へと進んでいきます。
午前中とは進行方向が反対となりました。針綱神社、犬山城を背に巡行されていきます。
犬山城を背負い進んでいく車山。絵になりますね!
古い街並みが連なるエリアへも車山が戻ってきました。
6輌はそのまま犬山駅前へと向かいます。駅前の通りにはたくさんの露店が出ていました!
時折方向修正をするため、肩を入れて車山を動かす男衆。
犬山城下町の街中でも、見事に車山を回転!沿道からは完成が上がっていました!#犬山祭 #犬山 #愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/1VveH3R5y6
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犬山駅前へと到着した車山はこんな感じ。夜に再び動き出すまでは、こちらへ留め置きとなります。
からくり人形も出されたままなので、じっくり見比べることができますよ!
幻想的な365個の提灯
日も暮れはじめた18時過ぎ、車山には提灯が付けられました。1つの車山に、なんと365個ものロウソク提灯が取り付けられています!
提灯の灯りがゆらめく車山が並び、幻想的な光景ですね!
ライトアップされた犬山城天守とのコラボレーションも。
辺りが暗くなってきて、一層提灯の明かりが際立ってきました。
車山の下部では、光る金襦袢を着た子どもたちがスタンバイです!
舟形の車山は、このまま大海原にでも出られそうな雰囲気ですね。
最接近して車山を見てみました。重なり合う提灯の明かりが美しい!
完全に日が暮れそうです。見物客の数も増えてきました。
輝きも一層ましたところで、いよいよ夜の部の運行も開始されます!
車山が動き出しました。昼間とは違い、提灯がゆれながら進むため雰囲気ががらっと変わりますね。
提灯の灯った車山が犬山城から出発!城下町を練り歩き、各町へと帰っていきます。#犬山祭 #愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/bgyLpbvh68
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夜桜と車山。こんなに素晴らしい光景があるとは。
次々に夜桜の横を通っていく各町の車山。目を奪われる景色の連続です。
車山、夜桜、ライトアップされた犬山城天守と言う、美しさの三拍子が揃った瞬間も。
舟形車山が進んでくる様子は迫力がありますね。
舟形の新町の車山が、満開の桜が連なる犬山城下町を進みます!#犬山祭 #愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/9z32cRmtjo
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車山はこのまま城下町を巡行し、21時45分頃には各町へ戻るとのことでした。
犬山城からまっすぐ続く通りにも露店が立ち並び、露店に挟まれるように車山が進みます。
暗がりの古い街並みでは、タイムスリップしたかのような光景にも出会えます。
犬山駅前の通りでは、駅前に留め置かれていた6輌の車山も出発していました。
どんどん通りへと車山がやってきます。
またこちらでは”どんでん“と言う大技が披露される場面も。どんでんとは、車輪を片方持ち上げた状態で車山を回転させる、迫力満点の力技になります!
勢いよく車輪を持ち上げます!
大迫力のどんでんは、ぜひ動画でもご覧ください!
犬山祭試楽祭もいよいよクライマックス!車輪を上げて車山を回転させる“どんでん”から、そのまま車輪を上げて前方へ進んでいくと言う大技が披露されています!#愛知 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/V7gcDpkXEm
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) April 1, 2023
犬山駅前から出た6輌の車山も、城下町を巡行した後に21時45分頃に各町へ帰っていきます。まだまだ夜が更けるまで犬山祭の盛り上がりは尽きません!
グルメも楽しめる
車山も堪能したところで、お祭りへ来たらグルメも楽しみたいですよね。車山の巡行ルートで見えていましたが、犬山祭にはたくさんの露店が並んでいるんです!
犬山城や犬山駅から続く通りには、露店がぎっしりと連なります。お好み焼きや焼きそばのお祭り定番グルメから、射的や宝石つかみどりのような遊べる露店も出ていました。
犬山城近くには、このようなグルメ横丁まで出現!
そして愛知県らしいグルメも楽しめます。名古屋名物の”たません”が食べられるお店もありました!
愛知県のお祭りでは定番ですが、お隣長野県からは五平餅も出店しています!ぜひ、お好みのお祭りグルメを探してみてください。
犬山駅へのアクセス
・名鉄名古屋駅から名鉄犬山線快速特急で25分
・名鉄岐阜駅から名鉄各務原線・名鉄犬山線直通で38分
4月2日の本日も本楽祭として犬山祭が開催中です!今夜も21時45分頃まで車山が巡行予定ですので、ぜひ犬山を訪れてみてください!