福島・須賀川の夏祭り
福島県中通り地域で、郡山市の南隣に位置する須賀川市。江戸時代には奥州街道37番目の宿場町「須賀川宿」として栄え、松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の途中に8日間滞在した場所でもあります。
この須賀川へ、夏の到来を告げるお祭りが毎年7月14日に開催されています。その名も「きうり天王祭」です!
主役はきゅうり!
きうり天王祭が開催されているのは、中心市街地の真ん中を南北に貫く奥州街道(通称:松明通り)。こちらに天王様のお仮屋が建てられ、お祭り行事が行われていきます。ところで、「きうり」とはなんぞやと思った方もいらっしゃるかと思いますが、きうりとは「きゅうり」のこと。須賀川市は全国でも屈指の夏秋きゅうりの産地として知られ、年間でなんと約5000tもの出荷を行っているそうです。きゅうりと縁の深い土地で開催されるお祭りなのですね!
ということで老若男女が集まっているお仮屋へとやってくると、何かをお供えしていました。その緑色の物体は、もちろんきゅうりです!2本のきゅうりをお供えしていました。
2本のきゅうりのお供えが終わると、1本の新しいきゅうりをいただくことができます。この新しいきゅうりはお護符の代わりとされ、こちらを食べると一年間無病息災でいられるとされているのですよ!これはぜひ食べてご利益を得たいところですね。
次々とお供えされていくきゅうりの数々。その起源は江戸時代の宝暦年間にまで遡り、約260年もの歴史があると言われています。当時流行り病が起きていた須賀川で、牛頭天王にきゅうりを奉納したところ鎮まったとの出来事があり、今でも特産のきゅうりをお供えする風習が続いているそうです。
続々と子どもから大人までがきゅうりをお供えしていきます!
いただけるきゅうりは、お祓いを受けたものなんだそうです。うちわも一緒にもらえるのは嬉しいですね!
須賀川のきうり天王祭へやってきました!きゅうりを2本をお供えすると、新しく1本もらえ、それを食べると一年間無病息災にいられると言うお祭り。この辺りはきゅうりの一大産地でもありますが、ユニークな夏祭りですね!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/5HmlmABBPV
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) July 14, 2023
お仮屋の奥にはお神輿も置かれています。こちらは天王様のお神輿で、7月14日前後の二日間にはお神輿の渡御もあるんですよ!明日15日は19時からの渡御を予定しているとのことですので、お近くの方は要チェックです。
巨大きゅうり現る
お仮屋できゅうりのお供えを行ったら、そのまま後ろに振り返ってみましょう。なんと、巨大なきゅうりオブジェが設置されているんです!
子どもの背丈と比べてみるとわかる、その大きさ。100cmくらいは直径がありそうですね。
長さもめちゃくちゃあります。こんな大きなきゅうりは見たことがない!多くの方がこの前で記念写真を撮って、フォトスポットになっていました。
両端にはヘタも見事に再現。迫力がありますね。
反対側には、本物のきゅうりの展示も!
巨大なきゅうりオブジェ。ぜひきうり天王祭の思い出に、その目へ焼き付けて帰ってください!
グルメ露店も連なる
お祭りへとやってきたら、楽しみたいものの一つに露店グルメがありますよね。きうり天王祭では、お仮屋前からずらっと奥州街道に立ち並ぶ露店も見どころなんです!
もちろんお祭りグルメを販売する露店も並び、定番のやきそばやお好み焼き等が提供されていました!暑い時期に嬉しいかき氷や、土地柄か焼き鳥のお店がたくさん並んでいたのも印象的でした。
夏といえば鮎の旬ですが、お祭りで食べる塩焼きというのもたまらないですね!
ウルトラマンの街
お祭り会場になっている松明通りには、ウルトラマンがたくさん!実は須賀川市は、ウルトラマンの生みの親の円谷英二監督の出身地なんです。そして須賀川市は、ウルトラマンの故郷のM78星雲 光の国との姉妹都市だというから驚きです!
松明通りを歩くと、次々に歴代のウルトラマンに出会うことができます。お祭りに合わせてのウルトラマン散策もおすすめですよ。
アクセス
■須賀川駅まで
・郡山駅からJR東北本線で10分
・新白河駅からJR東北本線で39分
■須賀川駅からお祭り会場まで
・徒歩で約20分
・須賀川駅前バス停から須賀川中町バス停まで福島交通バスで7分。下車後会場まで徒歩すぐ
きうり天王祭は本日22時まで開催されています。お近くの方はきゅうりを持ち、ぜひ来てみてください!