澄んだ空気に冴える、鮮やかな発色。冬の花火は、一般的な花火シーズンとされる夏よりもいっそう、クリアで、シャープな光に感じられる。その理由は、晴れた冬空が星を見上げるのに絶好なのと同じ。空気中の水分やちりが少ない冬は、光がそのきらめきを減退させることなく、まっすぐに地上の私たちまで届くのだ。
これだけでも冬花火は魅力的なのに、もう一つ、特別な「魔法」が冬花火にはある。
会場の後方からカメラを構えた私は今回、冬の長岡花火で身をもって体感することになった。
その魔法とは、寒さのなか肩を寄せ合いながら花火を “待つ” という時間。
むかしの歌に ...