2023年8月4日から8日の日程で、青森県五所川原市で、「五所川原立佞武多」が開催されます!
ねぶた祭の中でも、青森ねぶた、弘前ねぷたとともに注目度の高いこのお祭り、2019年公開の解説記事とともに、2023年の最新情報をお届けします。
目次
五所川原立佞武多の見どころを激熱紹介!
立佞武多って読めますか?「たちねぷた」です。
青森県を代表するお祭り「ねぶた」「ねぷた」の中でも、勢いづいているのが、五所川原市の「立佞武多」。
何が「立ち」って、ねぷたが立ってるんです!その高さなんと23m!
青森県に4年ほど住んでいた私も超おススメ!8月初頭東北夏祭りの時期に行われる、この圧倒的迫力を誇るお祭りについてお伝えします。
1.五所川原立佞武多開催概要
立佞武多が開催されるのは、青森県五所川原市。
毎年8月4日~8日。ちょうど東北の夏祭りが開催されると同じ時期です。(8月3日は花火大会で立佞武多運行はありません)。
運行時間は19:00~21:00です。
2.ねぶた?ねぷた?立佞武多?
青森県は、東半分は南部地方、西半分は津軽地方と呼ばれます。ねぶた・ねぷたは津軽地方のお祭りです。
明治の廃藩置県で、津軽地方と南部地方(の北部)が合体し青森県できました。津軽地方の中心は弘前城有する弘前。南部の中心は八戸。その間を取って県庁所在地になったのが青森市です。五所川原は古くから津軽地方第2の都市であり、太宰治の出身地でもあります(吉幾三さんもね!)。
青森県内では夏になると「ねぶた」「ねぷた」と呼ばれる、張りぼてを引く山車祭りが各地で行われます。これは灯籠流しに基づくものですが、その中でも有名なのが、青森市、弘前市、そして五所川原市のものです。
まずは、青森ねぶた。もうワールドクラスの知名度ですね。ねぶた、です。こちらは、横に大きい!国道いっぱいに広がって進むため、横に大きくなりました。
弘前ねぷた。こちらは扇型の張りぼてに、表は武者絵、裏は美人画が描かれます。城下町の雅やかな雰囲気があります。
Rosino / wikipedia
そしてこちら、五所川原立佞武多!何と高さ23m、重さ19トンにもなるのです。これらが毎年3体出陣。詳しく見ていきましょう。
z tanuki / wikipedia
3.大迫力!ビルより高い立佞武多
高さ23メートルと言ったら、7階建てのビルと同じくらい。「ふーん、7階」とか思うかも知れないですが、あなたね、五所川原なんです。東京じゃないんです。
つまり、7階建てのビルとか、あんまりない。
だから、23mの巨人は、そんちょそこらの建物より、ずっと大きいんです。
それが、
五所川原立佞武多、今年の新作「かぐや」さん
繊細な表現でこれまでにない印象🌕
これから2年間、撮影だと研究しがいあるなぁ pic.twitter.com/tAo1vgq3Z0— Ryuuichi Yoneyama (@S23FS) August 8, 2019
うごく。
まちを
青森の夏が始まりますよーーー!写真は五所川原立佞武多!!! pic.twitter.com/JP5Vm2HJq5
— IshiyamaF (@5588Virtuoso) August 1, 2017
歩く。
もうそれだけで、大騒ぎです。なので、五所川原の街に近づくと、見えてくる背の高い建物。それが、立佞武多が保管されている「立佞武多の館」(後述)なのです。
4.なんでこんなに大きくなった!?立佞武多の歴史
こんな大きなねぷたをいつから作り始めたのか?なんで作っちゃったのか?気になりますね。
巨大ねぷたが五所川原に登場したのは、明治40年ごろ。地元の豪商や大地主が自らの権威を示すために20mにも及ぶ背の高いねぷたを作り始めました。
大正時代に入り電線が広がり始めると、ねぷたは小型化が進み、さらに戦後の大火事により設計図がなくなると、巨大ねぷたは姿を消しました。
1993年、当時の設計図と写真が発見され、高さ7mのねぷたが復活。その後、市民有志により「たちねぷた復元の会」が結成され、今に至るのです。
5.さすが、津軽三味線のルーツ!お囃子に五所川原のグルーブを感じる
さて、形がそれぞれ違うねぶた・ねぷたですが、お囃子の違いからもそれぞれの背景を感じることができます。
青森ねぶた
こちらは大きな太鼓と、チャカチャカとなる手振り鉦の荒々しい勇壮な音。明治に県庁所在地となった青森ですが、もともとは漁師町。この荒々しさはそんな背景があるのかもしれません。掛け声はご存知「ラッセラー、ラッセラ!」ですね。
弘前ねぷた
すごくゆっくり、情緒のある響きですよね。こっちはねぷた。「出陣のねぷた」とも呼ばれる厳かな調べ。ねぷたは山車を引っ張って歩き、踊りません。掛け声は「ヤーヤードー」
そして 五所川原立佞武多。青森県内の有名な3つのねぶた・ねぷた、それぞれ素敵なのですが、私は五所川原のお囃子が一番好き。
聞いてみてください。
こちらはとってもアップテンポでグルーヴィ。手振り鉦を鳴らす姿も、肩を斜めに入れてリズムを取るのが何とも軽快!見る人の気持ちを巻き込んでいくかのようです。
そんな五所川原は、実は津軽三味線発祥の地なんです。幕末に五所川原の金木地区に生まれた仁太坊。それまで門付(門口に立ち行い金品を受け取る形式の芸能)として蔑まれていた三味線を、芸術の域に高めたのです。そんな背景もあってか、立佞武多の構成要素として、お囃子は非常に大きい感じがします。
掛け声は「ヤッテマーレ、ヤッテマーレ」。「やってしまえ」「やっちゃいな」という意味。そう、お囃子も、ねぷたの大きさも「やっちゃいな!」のスピリットなのです!
6.見る?参加する?観覧ポイント
こんな大きくてエキサイティングな立佞武多、ぜひ間近で見てみたいですよね。
ゆったり見たい方は有料観覧席をお勧めします。
1)株式会社まちなか五所川原の管理するスタート&ゴール地点
2)五所川原商工会議所の管理する観覧席があります。
有料観覧席でなくても、なんといっても、立佞武多は大きい!結構いろんなところから見られますし、ビルのギリギリを動くのを見るのもハラハラドキドキ。沿道には人がいっぱいいますが、隙間を見つけて入りこむ余地はあるようです。
もっとどっぷり参加したい方は、曳き手として参加することも可能。五所川原市観光協会へ7/10までに申し込みを(※2019年の情報です)!間に合わなかった方、がっかりしないで。立佞武多はね、やっぱりまずは見て楽しんでいただきたいお祭りです。
7.絶対外せない!立佞武多の館
五所川原に行ったら絶対外せないのは、資料館である「立佞武多の館」。なんせ高さ20mの立佞武多。しまっておける場所はなかなかありません。それを保管しつつ、常設展示しているのが、この施設。
私はこの施設が大好きで、青森に住んでいた時は、何度も行って、親せきや友人が来たときは必ず案内していました。
ここの凄いのは、高さ20mの立佞武多の顔まで見られること。らせん状のスロープを登っていくと、途中にいろいろな展示、
歴史の紹介、
スクリーンを見て、そして、至近距離で立佞武多が見られる!
きゃー!
地上で見たらわからないのに、ここで展示されるから、職人さんも手が抜けない!爪の一本一本まで魂を込められた芸術を見ることができます。
8.アクセス
さあ、これはもう行くしかありませんね!
場所はJR五所川原駅周辺。五所川原市へは
飛行機:青森空港からシャトルバスまたはレンタカーで40分
新幹線:新青森駅からJR奥羽五能線で70分
青森県内の移動は車が便利。レンタカーを借りて、周辺観光をするのも楽しい。
駐車場は限りがあるので早めに到着することをお勧めします。宿泊も限りがあるので早めに確保を!
立佞武多運行前の時間には、点灯式やお囃子、津軽三味線のコンサートなども開かれるので、早く来ても飽きることはありません。
「立佞武多の館」隣の「マルコーセンター」では美味しい五所川原グルメが味わえます。
いかがでしたか?まだまだ意外と知られていない五所川原立佞武多。この迫力は絶対体験していただきたい!
青森、弘前、五所川原と津軽ツアーをするのもお勧め。この夏はぜひ、ねぶた三昧で盛り上がってみませんか?
ヤッテマーレ!
2023年の開催情報!
【日程】
2023年8月4日〜8日
【運行時間】
19:00~21:00
【その他のイベント】
<ごしょがわら めじゃ〜 ストリート>
8月4日〜8日 16:00〜20:30
本町通り+青い森信用金庫向い空き地
・飲食ブース
・キッチンカー
・物産ブース
・自衛隊ブース
・イートインコーナー
・特別イベント
・25周年立佞武多特別映像上映会
・JTブース
トップ画像:Piti Sirisriro / Shutterstock.com