ラーメンって日本人が発明したんだよね?え?違うの?
ということで、今や国民食となったラーメンを奉る7月11日の「ラーメンの日」を記念して、全国各地のご当地ラーメンとお祭りに注目するシリーズ。今回は踊るすだち王国・徳島のラーメンをご紹介します!
目次
地元では「中華そば」「支那そば」と呼ぶ、徳島ラーメン
徳島市内をぶらぶらすると、住宅街のそこかしこにポツポツと現れるラーメン店。普段のお昼ごはんどきに、自宅で食べるのと同じくらい気軽に近所のお店に行くのが、地元の人たちのラーメン事情だそう。
そんなふうに日常の一部になっているラーメンを、徳島では昔から「中華そば」「支那そば」と呼んできたらしく、店名に冠しているお店が多いのも納得です。
地元で長く愛されてきた中華そばは、豚骨スープに濃口醤油を合わせた濃い茶色のスープが特徴。甘辛く煮付けた薄切り肉、もやしやメンマ、ネギ、生卵がトッピングされ、ちょっとすき焼き風に、中細ストレート麺を少し甘めの濃厚スープと卵に絡めながらいただきます。
では、そんな徳島ラーメンが食べられるご当地の名店を3店ご紹介しましょう。
ブームの先駆けになった「中華そば いのたに 本店」
1966年(昭和41年)創業。県内で知らない人はいないという、徳島の中華そばを代表する名店です。1999年に「新横浜ラーメン博物館」側からの要請で出展したことで「徳島ラーメン」として存在が全国に知られ、ブームを巻き起こすきっかけとなりました。
スープ、麺、具材は王道スタイル。濃ゆい茶色のスープに身構えつつ飲んでみると意外にもあっさりしています。豚バラ肉は甘辛くしっかり味がついているので、別注文の生卵を絡めてマイルドにしていただきました。周りには卵ナシでごはんを注文し、ラーメンと一緒に食べている人もいましたので、そこはお好みで。
店内には1台あたり15人くらい座れそうなコの字カウンターが2台ありますが、数年前に行ったときには阿波踊りの期間中だったこともあってかギュウ詰め。普段から行列になっていることも多い反面、回転も早いので、徳島に行ったらぜひ本場の味を楽しみに立ち寄りたいお店です。
本場徳島の味を伝え続ける「ラーメン東大 大道本店」
「ラーメン界の東大」を目指し、大阪や兵庫、岡山など西日本を中心に十数店舗を展開する有名店。濃厚な豚骨醤油スープは少し甘めで、ストレート細麺とよくマッチしています。豚バラ肉は柔らかくほどよい甘辛さで、やはりここは本場徳島流、生卵とよく絡めてすき焼きのように食べるのが絶品!
ラーメン東大、数年前お店に行ったときにはさすが人気店だけあって大行列でした。ちなみにこちらを向いて写っているのはオマツリジャパンサポーターのY君。実は着ているTシャツに「俺にはgoogleなんて要らねぇ!ワイフが何でも知っているからな。」と書いてあり、顔の微笑みとは裏腹に胸でドヤってくるあたり…わー!うらやましいぞ。
何はともあれ、真夏の暑さのなか阿波おどりで踊りまくってヘトヘトに疲れた後、ここへ来てシメのラーメンを食す夜がまた来ますように!
すだちを搾る!徳島ラーメンの進化形「阿波屋」
同じ徳島ラーメンでも、徳島市では「いのたに」や「ラーメン東大」のように茶色いスープ、鳴門では鶏ガラや野菜ダシに薄口醤油を加えた黄色いスープ、小松島では豚骨の白いスープと、地域によって3種のスープがあるといわれます。
阿波屋さんのラーメンは一見、鳴門風かと思いきや、濃いめでコクのあるスープ。でも背脂がたくさんのっていて、その割にはあっさりしているという、まさに伝統をベースにしているけれど「進化形」という言葉がぴったりの味でした。
しかも特筆すべきは、すだち。何にでもすだちをかけて美味しくしてしまう徳島の食文化を反映してか、「残りが3分の1になったら搾ってください」とすだちが出てきます。搾ってみると見事に味変!爽やかでさっぱりとした余韻の残る別のラーメンが爆誕です。不思議とクセになりそうな、新しい徳島ラーメンの楽しみ方をぜひ体験してみてください。
どっちの阿呆になっても最高!「阿波おどり」
徳島のお祭りといったら、毎年8月のお盆の時期に行われる「阿波おどり」は絶対に外せません。
阿波踊りの踊り手たちは「連」と呼ばれるチームに所属して、1年間ずっと練習を積んで晴れの舞台を迎えます。そして当日、一糸乱れぬしなやかな動きの踊り手たちが、目の前に迫ってくるのを生で見ると、その美しさと迫力に得も言われぬ感動が湧き上がってきます。
阿波おどりは「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損損」とはいいますが、見る阿呆になるだけでもまったく損しないのです。
そして、踊る阿呆になりたくなったら、観光客でも誰でもすぐ踊れる懐の広さが徳島の阿波おどりの良いところ。一番有名なのが「にわか連」で、集合場所に行くだけで踊り方も教えてもらえ、すぐに踊る阿呆の仲間入りができます。
他にも、新町橋のたもとでは、地元のミュージシャンたちによるお囃子に合わせて自然発生的に踊りの輪ができているので、好きなときに出入り自由で踊れますし、商店街や細い通りなど街のいたるところで踊っている人たちがいるので、思い切って声をかけてみれば一緒に踊る阿呆になれるチャンスは無限大です。
2021年は2年ぶりに阿波おどりの開催が予定されています。感染症対策に気をつけながら踊る阿呆、見る阿呆になって阿波おどりの興奮を満喫したいですね。