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「この感覚は誰もが味わえるものじゃない」19年目、その獅子頭を脱ぐ時 <谷保天満宮獅子舞レポート・前編>

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東京都国立市の谷保(やほ。元の読みはやぼ)は、東京のようでどこか東京らしくない、懐かしい雰囲気のする町だ。甲州街道沿いには、現代的な建物に混じって立派なお屋敷が立ち並び、台地の下には段丘崖から湧く豊かな湧水を利用した田んぼの風景が広がる。

国立駅周辺のキレイに区画整理された地域と見比べると、谷保という町の歴史の古さが身にしみて実感されるだろう。

ハケ下に広がる谷保の田んぼ

谷保には、古くからこの地に根ざして生きてきた人々によって支えられている祭りがある。なかでも盛大なのは、秋に開催される谷保天満宮(やぼてんまんぐう)例大祭だ。

この祭りでは、華やかな万灯行列が見られるほか、神社の境内では迫力ある獅子舞(国立市指定無形民俗文化財)が披露される。

谷保天満宮例大祭の万灯

国立市を象徴する ...

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