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日本三大大凧祭りとは?埼玉の春日部、滋賀の東近江、もう一つはどこ?

2023/4/25
2024/3/5
日本三大大凧祭りとは?埼玉の春日部、滋賀の東近江、もう一つはどこ?

間もなく5月5日の端午の節句(こどもの日)。空を見上げればこいのぼりが泳いでいますが、実はこの時期には、大きな凧を空高くあげるお祭りも日本各地で開かれます。なかでも、

◎春日部大凧あげ祭り(埼玉県春日部市)
◎相模の大凧まつり(神奈川県相模原市)
◎東近江大凧まつり(滋賀県東近江市)

の3つは「日本三大大凧祭り」と称されています(諸説あります)。
この記事では、大凧や大凧祭りとはどのようなものなのか、また、日本三大大凧祭りそれぞれについて紹介します。

凧あげと大凧と大凧祭り

現代でも凧あげは、ポピュラーな娯楽の一つ。特にお正月には、広い野原や河川敷などで和凧や洋凧をあげる子どもたちの姿を見かけますよね。

時代をずっとさかのぼって江戸時代には、男の子が生まれるとその誕生祝いとして凧をあげる風習がありました。お正月だけでなく、2月の初午(はつうま)や5月5日の端午、お盆など季節の変わり目、節目に凧をあげていたといいます。

歌川国芳「五節句之内睦月」国立国会図書館デジタルコレクション より

なかでも、5月5日の端午の節供の凧あげは「初凧」とも呼ばれていました。その年に生まれた男子の初節供を祝って大きな凧を作り、子どもの健やかな成長と将来の多幸を、勇壮に大空を舞う凧の姿に重ねあわせて祈願したのです。

現在、こどもの日前後に行われている大凧祭りは、その土地ならではの由来もありますが、おおむね江戸時代のこの初凧の風習が元になっています。各家庭で行われていた風習は、地域の皆で子どもの成長を喜び祝う行事になり、凧はより巨大になって地域の皆の力と心を一つにして空高くあげるお祭りへと発展しました。

それではここから、日本三大大凧祭りを一つずつ紹介しましょう。

春日部大凧あげ祭り(埼玉県春日部市)

 

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江戸川の河川敷で毎年5月3日と5日に開催される「春日部大凧あげ祭り」は、江戸時代後期に始まりました。

天保12年(1841年)、浄信という僧が各地巡礼をした折に宝珠花(ほうしゅばな。現在の春日部市西宝珠花)の小流寺に宿泊します。その際に人々を集め、当時盛んだった養蚕(ようさん)について「凧があがる」と「繭(まゆ)の値段があがる」をかけた豊作占いの話をしたため、数十個の凧をあげて豊作を占うようになったそうです。その後は男子誕生のお祝いとして凧があげられるようになりました。

現代の祭りではまず大凧をあげる前に、その年で初節供を迎える子どもの健康と成長を願う儀式が行われます。その後に上若組と下若組が、それぞれ百数十人で縦15m×横11m、重さ800㎏にもおよぶ大凧をあげます。巨大な凧が空に舞い上がると例年10万人規模で訪れる観客からは大きな歓声があがります。

2023年は例年どおり、5月3日(水・祝)と5月5日(金・祝)に、宝珠花橋下流の江戸川河川敷で開催されます!
お祭りでは大凧あげを見物できるほか、模擬店なども出店。詳しくは春日部市公式サイトの大凧あげ祭り案内ページからご確認ください。

相模の大凧まつり(神奈川県相模原市)

「相模の大凧まつり」は毎年5月4日と5日、相模川の河川敷で行われます。
江戸時代の天保年間(1830年頃)に凧あげが始まったとされ、大凧があがるようになったのは明治時代から。子どもの誕生祝いとしてあげられていたものが、次第に地域に広がっていき、豊穣祈願や将来の夢などさまざまな思いを題字に込めてあげるようになりました。

現在、新戸会場の8間凧は大きさ14.5m四方のサイズで、毎年あげているものとしては日本一の大きさです。毎年公募で選ばれた題字が書かれ、2023年は「勝風」と書かれた大凧が空に舞いあがります。

2023年、相模の大凧まつりは4年ぶりの通常開催となり、5月4日(木・祝)と5日(金・祝)に行われます!
詳しくは相模原の観光サイト「いい~さがみはら」の相模の大凧まつりの案内ページなどからご確認ください。

東近江大凧まつり(滋賀県東近江市)

 

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「東近江大凧まつり」は、例年5月の最終日曜日に開催されるお祭りです。
江戸時代の中期頃から、男子の誕生祝いとして5月にこいのぼりと同様にあげられるようになったのが始まりといわれています。村落で競って凧をあげていたため、凧が次第に大きくなっていきました。明治15年には、240畳敷きという巨大な大凧があげられたと記録されており、これは日本の記録上では最大のサイズです。

現在では縦14m、横13mの100畳敷の大凧を、100人もの引き手であげます。巨大で重い大凧をあげるため、切り抜き工法と呼ばれる文字と模様を切り抜く技術が使われ、風の抵抗も少なくしているのが特徴です。また、図柄と文字の組合せをなぞなぞのように読み解くと意味が通る「判じもん」というデザインの凧もあります。

お祭りでは大凧あげを見物できるほか、ステージショーや地元物販の販売などさまざまなイベントが開かれますが、2023年現在、お祭りは休止中となっています。

まとめ

この記事では、日本三大大凧祭りについて紹介しました。いずれも男の子の誕生祝いが元となっていて、一生に一度の初節供がいかに大切にされてきたか、うかがい知ることができました。今年の端午の節句には、大凧祭りに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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