和菓子店やスーパーで見かける柏餅。なんで柏餅に葉っぱがくっついているのか?なぜこどもの日に柏餅を食べるのか?気になりますよね!
そんな皆さんに柏餅の由来やこどもの日と柏餅の関係を徹底解説します。柏餅ミステリーの一つ、柏餅についている葉っぱ食べる、食べない問題を解決!記事の最後には、全国の美味しい柏餅を販売しているおすすめの老舗和菓子店、自宅でできる簡単柏餅調理法をご紹介します!
柏餅とは
柏餅は、平たく丸めた餅に餡を詰めた伝統的な日本の歳事菓子です。子供たちの健康を願う柏餅ですが、かしわの葉で包んでいるのにはさまざまな理由があります。かしわの葉には「オイゲノール」という物質が含まれており、柏餅の防腐・抗菌効果に作用し鮮度を保つことが可能です。
かしわの葉っぱといえば独特の香りですよね。あれは、「フィトンチッド」と呼ばれる葉が出している香りの成分です。人体に対して自律神経を刺激し、精神を安定させる効果があります。一見、飾りにしか見えないかしわの葉ですが、柏餅を美味しく食べるためには欠かせないパートナーなのです。
葉っぱは食べる?食べない?
柏餅の葉っぱは食べられるのか?結論から言うと、かしわの葉っぱは食べるものではありません。お伝えした通り、かしわの葉は柏餅を美味しく食べるために包んでいるものです。決して体に害があるわけではないのですが、柏餅と一緒に食べてしまうとパリパリの葉っぱがふんわりとした餅の食感を邪魔してしまいます。また、かしわの葉が持つ独特の苦みが餡の甘さを台無しにしてしまうでしょう。
捨てるのは勿体ないということであれば、お湯に浸けたり電子レンジや蒸し器で蒸したりすると良いでしょう。葉っぱの筋っぽさが無くなり、かしわの葉の風味を感じながら柏餅が楽しめます。
地域によって中身が違う?柏餅のいろいろ
柏餅の種類は大きく二つに分けられます。関東は餡を餅で折りたたむようにして包むクレープ型、関西は餡を餅で完全に覆うような形の大福型が一般的です。最近では、兜型や蛤(はまぐり)型など、オリジナリティ溢れるデザインの柏餅が販売されています。
柏餅の中身は「こしあん」「つぶあん」「みそあん」の3種類がベースとなっており、日本全国で食べることが可能です。また、宮崎県の鯨羊羹(くじらようかん)、佐賀県の麦だんご、青森県のべこ餅など、地域独自の柏餅に似たような商品が販売されています。
ところで、餅を包んでいる葉っぱの表面で餅の中身を判断することができるのはご存知ですか?中身がこしあん・つぶあんの場合は葉の裏を見せて包み、みそあんの場合には葉の表を見せて包むことで餡の種類を見分けることができます。
『関東は「柏餅」、関西は「ちまき」?』こどもの日に「ちまき」を食べる理由などをご紹介!
こどもの日を祝う柏餅。買う派?作る派?
柏餅のルーツや種類をご紹介してきました。一年のうちに柏餅が主役になる日が、端午の節句である「こどもの日」です。ここからは、柏餅がこどもの日に食べられる理由から美味しい柏餅が食べられるおすすめの和菓子店、自宅で作れる柏餅の簡単調理法を伝授します!
こどもの日に柏餅を食べる理由
かしわの木は縁起ものとされており、春の新芽が出る時期まで葉を落とすことがありません。そのため、木から葉が落ちないことから「子孫繁栄=家系が途切れないように」という意味を込めて、端午の節句で柏餅を食べるようになりました。
こどもの日は、子供の健やかな成長を願う日です。端午の節句は中国から伝来してきました。かしわの葉は手のひらのような見た目をしています。餅を包んでいる姿が拍手を打っている様子に似ていることから、武家社会で子供の武運を祈願していたと言われています。そして江戸時代になると武家の間で、縁起物として柏餅を食べるようになりました。
おすすめの和菓子屋
ここからは、こどもの日に欠かせない美味しい柏餅を販売しているおすすめ老舗和菓子店を紹介します。
一店舗目は、滋賀県近江八幡市にある明治5年創業の「たねや」です。お米の風味が香る近江米で作られた歯ごたえ抜群の柏餅がお店の目玉商品です。「こしあん」「つぶあん」「みそあん」の3種類の柏餅が期間限定で販売され、中でも希少米である赤米が餡生地に練り合わされたつぶあん柏餅は、老舗ならではの深みを感じることができます。たねやは関西を中心に神奈川、東京に店舗があり、全国でこどもの日のお祝いとして上質な柏餅を購入することが可能です。
二店舗目は、和菓子の理想郷と呼び声高く、寿長生(すない)の郷で有名な老舗和菓子店「叶 匠寿庵(かのう しょうじゅあん)」です。真っ白なこしあんとヨモギ色のつぶあんは天下一品で、きめ細かいモッチリとした食感の餅と上品でなめらかな餡が特徴です。札幌や兵庫、東京など全国主要都市で買える匠寿庵の柏餅はおすすめです。
こだわり抜いた素材、オリジナル製法で作られた老舗和菓子店の柏餅は絶品の一言。端午の節句が近づいてくると、掛け紙を菖蒲の絵柄であしらうなどしてこどもの日を祝う商品がディスプレイに並びます。ご家庭用に買っていくのも良いですが、贈り物として友人に手土産すると喜ばれるかもしれませんね。
お子さまの健やかな成長と子孫繁栄の願いをこめた、柏餅。
『叶匠寿庵』ではこし餡を包んだ柏餅と、粒餡を包んだ柏餅蓬の2種類をご用意しています。■地下1階(中央B7) pic.twitter.com/R1Y5JhW14B
— 西武池袋本店 グルメレポート (@seibuike_Gourme) May 2, 2019
柏餅は自分で作れる!
柏餅を自宅で作ることができます。
用意するのは、「上新粉(200g)」「砂糖(大さじ1)」「熱湯(200ml)」「こしあん(200g)」「かしわの葉(5枚)」です。(5個分)
①ボウルに砂糖と上新粉を入れ菜箸などで混ぜ合わせる。
②耳たぶぐらいの柔らかさになったら熱湯を入れ、生地がまとまるまで手でこねていく。
③蒸し器に一口大にちぎった生地を並べ、10分ほど蒸す。
④蒸し器から取り出した生地をクッキングシートに並べ、熱いうちにこねる。
(注:熱いうちにこねないと食感が悪くなる)
⑤まとまった生地を5等分に分ける。
⑥分けた生地を楕円形に伸ばし、あんこを包み、かしわの葉で巻く。
材料はどれもスーパーで揃うものなので、手軽に柏餅を作ることができます。アレンジとして、ヨモギ粉や食紅をつければ鮮やかな柏餅の出来上がりです。
こどもの日を手作りメニューで楽しく祝おう!手軽に購入できるおすすめ商品もご紹介
まとめ
こどもの日に欠かせない柏餅のルーツが江戸時代であること、そして、子供の健やかな成長を願うものだということが分かりました。昔は神事で柏餅を食べていましたが、今でもその名残から「こどもの日には柏餅」という習慣が強く根付いています。和菓子店の柏餅で代々受け継がれてきた先祖の想いを感じながら、もしくは自宅で子供と一緒に手作りした柏餅で大切なこどもの日を過ごしてみては?
『こどもの日の意味や由来とは?食べる物は?こどもの日にやることを解説!』
『端午の節句には別の呼び方がある?地域ごとのこどもの日の祝い方』