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なぜ子どもだけが継承する?富山県利賀村の「初午行事」を取り巻く現状

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珍しい初午(はつうま )行事が、富山県南砺市利賀(とが)村にある。見た目は馬の頭を戴く獅子舞のように見える。約200年の歴史があり、子どもたちのみで実施されてきた。ただ、現在は活動休止中となっている。

なぜこのような行事が生まれたのか?それには利賀が豪雪地帯であり、かつて冬は陸の孤島だったことなどが関係していた。時代の変遷とともに役割が変化していった、この行事の実態に迫る。

初午とは?

まず、この南砺市利賀の初午行事の概要に触れておきたい。毎年1月に家々を訪ね回り、最初に神主が家の大黒柱の前で祝詞をあげる。それに続いて幕を被った2人の子どもが演じる午(うま)が、歌や太鼓に合わせて踊る。その後、俵を重そうに転がし、終わりに家々に「火の用心、福の神」と書いた紙を置いて家内安全・五穀豊穣 ...

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