一年を通して季節限定の御朱印を頒布する太平山神社
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。栃木市に社殿を構える太平山神社では一年共通の御朱印に加えて、季節限定のものが次々に登場します。2021年は1月に「お正月」、4月頃に「さくらまつり」、6月~7月に「あじさいまつり」、11月頃に「えびすだいこくまつり」の特別御朱印の頒布が企画されています。神社を囲む四季の彩りが御朱印にデザインされるのです。
太平山神社では本殿の西に隣接する授与所で御朱印を頂くことができます。授与所には御朱印ばかりでなく、お守りやお札などの授与品が準備されています。バラエティー豊富な授与品の中には、めかご鈴、火防獅子の土鈴に目を引かれます。太平山神社には火防獅子の伝説が伝わります。戦国時代に北条氏政の侵攻によって太平山が戦場となったとき、火の手が回った神社に獅子像が舞い上がり雨を降らせ、ご神体を守ったと言われています。
本殿の傍らにずらりと並ぶ境内社
太平山神社は栃木市の西部で約340メートルの標高で聳える太平山の山頂付近に社殿を構えています。827年に慈覚大師円仁によって創建されたと伝わります。江戸時代には徳川将軍家の手厚い保護を受けました。境内中央の本殿の傍らには、数多くの境内社がずらりと並び、交通安全、安産、豊作など神社ごとに異なるご利益があるとされています。
随神門の上下に繋がるあじさい坂と石階段
20前後の社殿は太平山の山頂付近に並んでいるので、山麓からは坂道を登らなければなりません。麓の六角堂から随神門まではあじさい坂と呼ばれています。随神門は1723年に、江戸幕府第8代将軍の徳川吉宗によって入母屋造り扇垂木の様式を採用して建造されました。あじさい坂を登り終えた後も、本殿に向かって石の階段がせり上がります。門から石段を見上げると、思わず「まだあるの」と口走ってしまうようです。
例年6月中旬から7月下旬にかけて太平山で開催される「とちぎあじさいまつり」
随神門を接点とするあじさい坂や石階段の両側には、西洋アジサイ、ガクアジサイ、ヤマアジサイなど約2500株のあじさいが植栽されています。例年6月中旬から7月下旬にかけて太平山の山肌を初夏の彩りで包み、「とちぎあじさいまつり」のメイン会場となっています。2021年は6月18日~7月4日の期間で行われます。
あじさいばかりでなく、太平山は春には桜、秋には紅葉で彩られ四季ごとに異なる表情を見せてくれます。太平山神社の境内の東で営業する飲食店では、太平山三代名物などのグルメを味わいながら、テラス席の眼下に広がる眺望を楽しむことができます。
栃木市の西部に聳える太平山の山頂付近に、太平山神社が社殿を構えています。神社を囲むエリアは県立自然公園に指定されています。四季ごとに異なる表情で包まれ、太平山神社では一年を通して様々な季節限定の御朱印を頒布しています。