お祭りの舞台は府中、大國魂神社
新宿から京王線に乗ること約20分で到着できる府中。多摩地域の中心的な都市とされ、かつては武蔵国の国府が置かれていた土地でもあります。そのような歴史を持つことから府中と言う市名が付けられ、現在に繋がっています。
この府中にある大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)で毎年7月20日に行われているお祭りがあります。「すもも祭」です!
府中駅の改札を出ると、早速お祭りの開催を伝える大きな団扇がお出迎え!このからすが描かれた団扇を求めて多くの参拝客が来るのですが、この団扇については後ほど詳しくご紹介していきます!
(この記事は2020年に公開されたものを再編集しています。2023年7月18日 編集部更新)
多くのすもも市が立つ(はずだった)参道
すもも祭、と言う名前が付いていることからもわかりますが、7月20日前後はすももが旬を迎えている時期!ではなぜすももなのかと言うと、平安時代の武将、源頼義・義家父子が関係しています。父子が前九年の役で勝利を収めた際に戦勝祈願のお礼参りで大國魂神社を訪れ、その時にすももをお供えしたことから境内にすもも市がたつようになったそうです。そのことが基でこのお祭りに繋がっているんだとか。
鳥居の前までやってきました!都会の神社とは思えない、青々とした木々が美しいです。
さあ、すもも市!と行きたいところですが、2020年はコロナウイルスの影響ですもも市は中止になってしまいました。本来ならばこちらの参道の両脇にぎっしりと露店が立ち並んでいるはずでした。
(2020年、2021年のすもも祭りは囃子の競演などの行事や露店は中止となり、神職のみで神事が開催されましたが、2022年は無事通常開催。2023年も露店が出店される予定です。編集部注)
このようにアナウンスも出ています。再びすもも市が立ち並ぶ光景が見られるようになるといいですね!
からす団扇、からす扇
大國魂神社境内への入口までやってきました!ソーシャルディスタンスを保ちながらも、多くの方が参拝に来ています!
そしてこちらが、すもも祭のポイントの1つ、お祭りの時にだけ頒布される「からす団扇」です!
裏面はこんな感じ。六所宮と言うのは大國魂神社の別名で、武蔵国一之宮から六之宮までを合わせて祀っていることからこの呼び名が知られています。
からす扇子も存在します!こちらは白地に黒いからすが映えますね。
裏面にはご神木と鳥居が描かれていました!
ではなぜからすが描かれた団扇や扇子を頒布するのでしょうか?その由緒には農業が関係しています。大昔、神代の頃に虫害が発生し困っていたところ、御歳神がからす扇を持って扇げば災厄を祓えると伝えたと言う故事からきています。そのことから、五穀豊穣・悪疫防除の力があるとあるとして信仰されているのが、からす団扇とからす扇子になります。
府中の見どころ、お土産にからすのお菓子も!
府中へ来たら他の見どころへも寄っていきませんか?冒頭でも紹介した武蔵国府の跡が、大國魂神社のお隣にあります!武蔵国府の概要や発掘調査の様子を知ることができる展示があるので見てみてください。
外には昔建っていたとされる柱のレプリカが!
お次はすもも祭に因んだお菓子を紹介します!大國魂神社前にお店を構える青木屋さんの「かちがらす万頭」。からすをあしらったかわいらしいパッケージが特徴です!
お味はと言うと、ほのかに甘い餡にごまの香りがおいしいです!すもも祭の時期限定の販売とのことなので、ぜひお土産にいかがでしょうか?
1年に1度、すももが採れる時期に行われるすもも祭。ぜひからす団扇・からす扇子を手に入れて、元気に夏を越していきたいものですね!
2023年の開催情報!
【日時】
2023年7月20日午前8時より
【頒布時刻】
からす団扇・からす扇子 午前6時より午後9時頃まで
【露店営業】
約120軒 午前7時頃より午後9時頃まで