発信の場を増やすことで文化の継承が促進されることもある。工夫が必要な郷土芸能の継承について、今回は石川県金沢市の活動をご紹介したい。
金沢市には市指定の無形民俗文化財である「加賀獅子」を対象とする、加賀獅子保存協会がある。市内の獅子舞団体が登録し、イベント出演や獅子頭の展示など精力的な活動を行ってきた。
今回は2022年10月30日~11月5日の期間、金沢駅で行われた獅子頭の展示とともに、加賀獅子保存協会の活動を紹介したい。
金沢の獅子舞はよく「加賀獅子」と呼ばれるが、どのような特徴を持っているのだろうか。
獅子舞を構成するのは獅子頭と蚊帳(かや)と呼ばれる胴体だ。棒振りと言われる演者が棒や太刀、薙刀など様々な道具を持って獅子に挑み、最後に獅子を討ち取るというの ...