全国の稲荷神社で初午の日にとり行われる初午祭
全国各地では一年を通して様々な季節の行事が行われていますが、厳しい寒さが和ら始める2月最初の午の日に稲荷神社で斎行される初午祭も代表的な神事です。初午の日は年によって異なりますが、2021年は2月3日です。稲荷神社の本社である京都の伏見稲荷神社の祭神、宇迦御霊神が伊奈利山へ降りた日が711(和銅4)年の初午の日にあたり、この日に大勢の参詣者が神社に訪れるようになったのです。東京都杉並区に社殿を構える大宮稲荷神社でも、2021年2月3日に「初午大祭」がとり行われました。
大宮稲荷神社の「初午大祭」で行われる修祓、献饌、祝詞奏上
大宮稲荷神社では13時から「初午大祭」の神事が斎行されました。神事開式の数分前になると参列者が、待機所の社務所の前で手を清めます。そして、大宮八幡宮の拝殿を迂回しながら大宮稲荷神社の前に設置された式場に向かいます。
参列者が式場に入場し終えると、宮司、神職が姿を現します。太鼓の打ち込みによる号鼓が響き、神事が始まります。神職が神社に向かって深々と頭を下げるなか、参列者も礼をします。
神職による開式が宣言されると、修祓が続きます。祓詞を読み終えた後、榊を手にした神職によってお祓いが行われるのです。式場、大宮稲荷神社前ばかりではなく、境内に奉納された朱幟の前でも榊がふられます。
修祓に続いて行われるのが献饌です。様々なお供え物が、神事の式場から数人の神職の手によって大宮稲荷神社に供えられます。
お供え物の献饌が終わると、宮司によって祝詞(のりと)の奏上が行われます。
大宮八幡宮の境内の一画に建立されている大宮稲荷神社
「初午大祭」の斎行日には大宮稲荷神社の周辺は厳かな雰囲気で包まれます。大宮稲荷神社の社殿は大宮八幡宮の境内の一画に建立されています。大宮八幡宮は、京王井の頭線の西永福駅の北東数百メートルに位置します。神社の境内には東部と南部の朱色の鳥居を潜って向かうことになります。神宮の正面玄関の役割を担う神門の前には笹の輪が設置され、初午の日にも初詣の雰囲気を留めています。
大宮八幡宮でしか体験できない味覚
神門の西の授与所の前では、福豆や厄除饅頭、へそ福餅、幸福がえるバームクーヘンなども販売されており、味わってみたくなることでしょう。へそ福餅は、大宮八幡宮が東京の中心にあること、幸福がえるバームクーヘンは、境内に撫でがえる石と呼ばれる石があることに因んでいます。
東京都杉並区に社殿を構える大宮稲荷神社では毎年、初午の日に「初午大祭」が斎行されています。神事では、号鼓、修祓、献饌、祝詞奏上などの儀が厳かにとり行われます。