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ハロウィン=大晦日×収穫祭×お盆!?不思議で不気味なハロウィンの秘密

更新日:2021/10/29 タカハシコウキ
ハロウィン=大晦日×収穫祭×お盆!?不思議で不気味なハロウィンの秘密

毎年10月31日に行われる行事といえば“ハロウィン”。日本でも大人から子どもまで仮装を楽しみ、特に渋谷で行われるハロウィンは、海外でも通用するジャパニーズカルチャーの一つとなっています。

10月中旬にもなると、カボチャやお化けグッズなどで飾られ、街はハロウィン一色。クリスマスなどと並ぶ、季節の一大イベントといっても過言ではありません。

そんな大盛り上がりをみせるハロウィンですが、みなさん、ハロウィンの由来ってご存知ですか? カボチャをくり抜いたり、不気味な仮装をしたり、さらにはふだん悪者扱いされるお化けなどが脚光を浴びたり……いったいどんな理由があってこんな不思議な行事となっているのでしょうか?

今回は不思議で不気味なハロウィンについて、由来や歴史を紹介していきます!

一年を締めくくるケルトのお祭り“サーウィン”

ハロウィンの源流は、ケルト人の間で行われていた儀式“サーウィン”にまで遡ります。

ケルト人とはヨーロッパやイギリス諸島などで活動していた民族。紀元前400年頃にはローマを占領するなどの栄華を極めていたとされています。かれらの暦では、現代の11月1日ごろに一年が始まるという考え方でした。つまり10月31日は、現代でいう大晦日。同時に夏の終わり・冬の始まりを告げる日であり、ナッツやトウモロコシ、リンゴなど実った作物の収穫を祝い、それらを楽しむ日だったです。

また一年の終わりでもあるこの日は、この世とあの世を繋ぐ扉が開く日でもありました。開いた扉を通って、死者の霊がこの世に帰ってくるとされていたのです。現代の日本のお盆に近いイメージでしょうか。

しかし、死者であるご先祖をあたたかく迎え敬うお盆とは違い、死者の霊は現世の人々に危害を加えたり、魔力が高ったり、など不気味な現象を起こすと信じられていました。そのためケルト人は悪霊の影響を防ぐべく、仮装をして悪霊を寄せつけず、焚火や鐘を鳴らすなどして死者を弔ったのです。

大晦日に収穫祭、そしてお盆のような死者との交わり。行政行事もこの日に多く行われており、ケルト人にとってサーウィンは非常に大切なお祭りでした。

やがてキリスト教・カトリック派の勢力が強まると、ケルト人たちの文化はキリスト教文化へと吸収されていきます。キリスト教教会は、ケルト人たちによるサーウィンを抹消せずに、新しい祝日と置き換え、ケルト人を取り込む施策を展開。11月1日はキリスト教のすべての聖人を祝う日“万聖節(英語でAll Saint’s DayまたはAll hallows)”の前日であることから、10月31日を万聖節の前夜祭として“All hallows eve”と定めました。

“eve”はケルト文化が浸透していたスコットランド語圏で“een”に短縮されるため、“All hallows een”と表現されます。長い期間を経て、その呼称が変化し、今ではおなじみの“Halloween”“ハロウィン”と呼ばれるようになったのです。

前日の方が盛り上がるなんて、なんだかクリスマスみたいですね。

現代ハロウィンはアメリカ生まれ 儀式からお祭りとなったハロウィンの数奇な歴史

当初行われていたハロウィンの行事は、サーウィンを土台としていたため宗教色の強いお祭りでした。現代のような形となったのは、アメリカへ伝来してからのこと。

ハロウィンをアメリカへ伝えたのは、作物の不作の影響で移住を余儀なくされてしまったスコットランド人やアイルランド人でした。

アメリカにおいてハロウィンはイギリスなどで行われる家族行事として、雑誌などで魅力的にとりあげられ、一気に拡散。たちまち子どもがいる家庭で人気の季節行事になりました。ハロウィンのイメージや、テーマカラーが決まっていったのもこのころのこと。よく使わる黒とオレンジの組合せはそれぞれ、黒や紺色は“夜”を、オレンジや黄色は“作物の実りの色”を表しています。

しかしハロウィンが広まるにつれ、子どもたちではなく、若者やごろつきが大騒ぎを起こすようになり、治安の悪化が叫ばれるようになりました。住民の安全を守るべく、自治体や教会などが町を会場としたパーティーや仮装、パレードを開催。ハロウィンは家庭内行事から、町ぐるみの大イベントとなっていったのです。またお金のない地域では町ぐるみの大きなイベントではなく、一軒一軒、家を訪ねて楽しむ、トリック・オア・トリートの原型のようなイベントが催されました。

時がたち、第二次世界大戦後。郊外にも物資がいきわたったことから、ハロウィンはより一層、アメリカ全土へ浸透。トリック・オア・トリートのためのお菓子や、技術革新により生まれた安価で凝った仮装用の衣装が売り上げを伸ばしていきました。追うようにして、他の業界もハロウィンに参入していきます。

1980年以降はさらに商業化が進み、ハロウィン関連商品が増加。ハロウィンはさらに巨大なイベントとなり、一日だけ憧れの存在になれる、脱日常的な側面から子どもたちだけではなく多くの人の話題となっていきました。

こうして現代にみる、大規模でエンターテイメントにあふれたハロウィンが創られていったのです。

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カボチャではなかった!? ジャック・オー・ランタンの秘密

ハロウィンといえば、思い浮かぶのはカボチャで作られたランタン“ジャック・オー・ランタン”。今ではハロウィンの代名詞となっていますが、じつは本来、カボチャを使うものではありませんでした。

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はるか昔、サーウィンのころ。ランタンに使われていたのはカボチャではなく、カブにの一種“ルタバガ”でした。サーウィンは収穫祭でもあったため、ヨーロッパでよく取れたカブがランタンづくりに用いられていたのです。

いつからカボチャになったのか? というと、アメリカで伝来したことがきっかけ。アメリカではカボチャがたくさん収穫できたため、カブではなくカボチャが使われるようになったのだとか。収穫祭的側面から見れば、よく取れる野菜を用いる、というのは意外と本質をついてることなのかもしれません。

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また“ジャック・オー・ランタン”という独特な名前は、古代ケルトの言い伝えに由来しています。以下は リサ・モートン著 大久保庸子翻訳  (2014)『ハロウィンの文化史 』原書房 で紹介された、ジャック・オー・ランタンについての言い伝えを要約したものです。

【むかし、“ジャック”という、ずる賢く悪事ばかりを働いている鍛冶屋がいました。ある年のハロウィンのこと。ひどく酔っていた彼は、あの世とこの世の扉をとってきた悪魔と出会います。悪魔はジャックの魂を狙いますが、ジャックはずる賢く悪魔からの狙いをよけ退け、最終的には2度と魂を取らないことを約束させました。

やがてジャックは寿命でなくなってしまいます。生前、悪さばかりしていたジャックは地獄へと連れていかれますが、悪魔は通してくれません。2度とジャックの魂は取らないと約束してしまったため、地獄へと入れることができなかったのです。かといって、天国行くこともできません。悪魔からは来た道を戻るよう言われますが、来た道は真っ暗。

せめて火をくれと、悪魔から地獄の火をもらい、道端に落ちていたカブをくりぬいて、消さないようランタンにしました。そうしてジャックはランタンと共に、今も現世をさまよい続けているのです。】

ジャックには悪魔が近づけないため、彼の魂を模したジャック・オー・ランタンを作ることで魔除けの飾りとしたわけです。

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2020年ハロウィンの楽しみ方

2020年のハロウィンは、新型コロナウイルスの影響もあり、多くのイベントが中止やオンラインでの開催を発表しています。リアルで開催される場合は万全のコロナ対策を、自宅で楽しむ場合はさまざまな工夫をして、今年はいつもとちょっと違った楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。
以下では、ハロウィンを満喫するために役立つ記事をご紹介!ぜひご参考にしてください。

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ハロウィンの時期になると、いたるところでジャックオランタンやおばけといったハロウィンらしい装飾をみかけますが、せっかくならちょっと違った演出を楽しんでみませんか?
水族館や植物館からさまざまなイベント施設まで、多くの場所で独自のハロウィンをお楽しいいただけます。
マツログでは、実際に現地へ行ったライターがたっぷりのお写真で中の様子をレポートしていますので、ぜひチェックしてみてください。

【ハロウィン・アクアリウム】ヨコハマおもしろ水族館で仮装を楽しむ魚

【ハロウィン・パーティー】おばけカボチャが転がる夢の島熱帯植物館

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【ハッピーハロウィン】三陽メディアフラワーミュージアムの個性的な装飾

食欲の秋!コンビニ、ケーキチェーン、コーヒーチェーン他で購入できる2020年のハロウィンスイーツ!

2020年のハロウィンは、新型コロナウィルスの影響で多くのイベントが中止となっていますが、毎年恒例のハロウィンスイーツはこれまで同様に各店から発売されています。オマツリジャパンでは、各店舗をまわり人気のスイーツを購入し、実食!商品紹介、実食レポート、SNSでの評判をまとめて、店舗ごとにレポート記事を作成しました!美味しいものが大好きなみなさまの参考になれば♪

【コンビニエンスストア】

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【コーヒーチェーン】

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【ドーナツチェーン】

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【ケーキチェーン】

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【その他】

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まとめ

サーウィンから始まり、今や世界的お祭りとなったハロウィン。しかし変わっていくなかで共通していることもあるように感じました。それは“楽しむ”ということ。

現代の形もよし、昔ながらの形もよし。みなさんもそれぞれのスタイルで、ハロウィンというという歴史ある文化を楽しんでみてください!

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
地域のお祭りやインタビュー、由来を調べるのが好き。いろんなお祭りを知りたいと思っています。

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