グルメと祭りの巨大フェス「ふるさと祭り東京」が3年ぶりに東京ドームに帰ってきます。アリーナを埋め尽くすご当地グルメの屋台ももちろんですが、全国各地からやってくる有名祭りの数々は見逃せません!
この記事は前編に続く「後編」。10日間の会期中の後半、1月17日~1月22日のメインステージに登場する祭り8つについて、それぞれどんなお祭りなのか、見どころ、楽しむポイントなどをご紹介します。
目次
踊り、太鼓、ねぶたに心躍る!祭りはどこに・いつ登場する?
東京ドームで10日間にわたり繰り広げられる、ふるさと祭り東京。今年2023年は、1月13日(金)〜22日(日)に開催されます。
祭りが登場するのはまず、メインステージである「お祭りひろば」です。そして「ふるさとステージ」にも、踊りなどいくつかの祭りが出演しますが、こちらでは主に日本各地の伝統芸能やご当地PR、ミュージックステージなどが行われます。
また、会場を飛び出して東京ドームシティの各所でも、よさこい総踊りなどの屋外演舞が披露されます(14日、15日のみの予定)。
お祭りひろばでの演舞の時間は、日によって違いがありますがおおむね10:30過ぎから17:30くらいまでの間で、各祭り団体が約20分間ずつ出演します。
各日18:00から21:00はスペシャルナイトイベントタイム!昼間とは趣向を変え、複数の祭りが同時に登場する「スペシャルお祭りナイト」や、来場者が誰でも一緒に踊れる「みんなで参加しナイト!」などが行われますので、思い切り楽しみましょう。
お目当ての祭りがいつ登場するのかは、お祭りひろばとふるさとステージの「ステージスケジュール」をよく見て計画を立て、見逃さないようにしたいもの。
ここからは、祭りを登場する日程順に紹介していきますので、まずはあなたのお目当ての祭り、気になる祭りを見つけてみてください。
八尾河内音頭まつり(1月17日)
「八尾河内音頭まつり」は、大阪府八尾市で1978(昭和53)年から毎年9月に開催されている八尾最大の祭りです。櫓を組んだ盆踊りのほかに、ダンスコンテストや吹奏楽、市内飲食店によるマルシェdeオンドなど、さまざまなイベントも盛りだくさんです。
八尾市は河内地方と呼ばれる大阪府東部にあるまちで、河内音頭の本場です。河内音頭は「音頭取り」という歌い手が、調子をつけて物語などを語る民謡で、昭和初期に浪花節を取り入れて全国区の人気を得ます。その後、エレキギターやビートをきかせた演奏も取り入れて日本のソウルミュージックとも言われています。
オーバー40世代には河内家菊水丸「カーキン音頭」が懐かしいのではないでしょうか。近年は東京錦糸町でも毎年8月末に大盛り上がりを見せていて、人気・知名度ともに全国区になりつつあります。
八尾河内音頭まつりは、本場ならではの河内音頭を中心とした祭りで、会場の中心にはやぐらが設置され、河内音頭に合わせて踊りの輪が何重にも広がります。テンポよく手を叩いて踊る「マメカチ」という踊り方は独特の高揚感があります。ふるさとまつり東京ではどんなステージが披露されるのか楽しみですね。
鳥取しゃんしゃん祭(1月17日~1月18日)
「鳥取しゃんしゃん祭」は、鳥取県鳥取市で毎年8月13日〜15日にかけて開催されます。色鮮やかな「しゃんしゃん傘」を手に、傘についた鈴をしゃんしゃん鳴らしながら約4,000人の踊り子が一斉に踊る一斉傘踊りが最大の見どころです。
全国でも珍しい、傘を使った踊りは、鳥取県東部地方に古くから伝わる伝統芸能「因幡の傘踊り」がもとになっています。和紙張りの傘の模様は、一番外周の赤と白が砂丘を、その内側の青は海、銀色の菱形は飛び跳ねる魚などを表しています。傘踊りは初心者には少し難しいですが、鈴だけを持って踊る「すずっこ踊り」が近年考案され、誰でも踊りに参加できるようになりました。
「しゃんしゃん」という名前の由来には、市街地の温泉で「お湯がしゃんしゃん沸く」様子という意味もあるそうです。
西馬音内盆踊り(1月17日~1月19日)
「西馬音内盆踊り」は、秋田県羽後町で毎年8月16日から18日にかけて開催される祭りです。実に700年以上の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財にも指定。「阿波おどり」や後述の「郡上おどり」と並ぶ日本三大盆踊りの一つにも称されています。
この祭りは「亡者おどり」とも呼ばれ、踊り手は死者と一体となって、その魂をもてなし供養する目的で踊っているのです。篝火が焚かれ、踊り手は編み笠に端縫い衣装姿や黒い覆面の彦三頭巾を被った藍染めの浴衣姿で、亡者となります。彼らが野性的な囃子に合わせて妖艶に踊る姿に、会場は神秘的で優美な雰囲気に包まれることでしょう。
青森ねぶた祭(1月18日~1月22日)
「青森ねぶた祭」は、青森県青森市で毎年8月2日から7日にかけて開催される東北有数のお祭りです。秋田竿燈まつり、仙台七夕まつりと並ぶ東北三大祭りに数えられ、開催中は約280万人以上の観光客が訪れます。
青森のねぶたは、弘前のような扇形の巨大灯籠だけではなく、歌舞伎や神話を題材にした勇壮な人形型が主体です。5メートルもの「ねぶた」が街を練り歩き、その周りでは「跳人(はねと)」と呼ばれる踊り手が、活気ある「ラッセラー!」の掛け声と共に跳躍します。
極彩色の勇壮華麗なねぷたが跳人の演舞とともに曳行される様子は圧巻。迫力のステージを堪能しましょう。
秋田竿燈まつり(1月19日~1月22日)
「秋田竿燈まつり」は秋田県秋田市で毎年8月上旬に開催されます。270年の歴史を持つ祭りで、毎年多くの観光客が訪れて賑わいます。
その特徴はなんといっても約280本もの竿燈。一つ一つを稲穂に見立てたもので、竿燈の黄金色の明かりが大通りを埋め尽くし、夜空に美しく揺らめき幻想的な光景が広がります。軽快なお囃子に合わせ、最大で高さ12m、重さ50kgもの大きな竿燈を、手のひら、額、肩、腰で自在に操る伝統の技は必見の迫力です。今回、間近で見られるのが楽しみですね。
郡上おどり(1月19日~1月20日)
「郡上おどり」は、岐阜県郡上市で7月から9月にかけて31夜もの長い期間にわたって開催されます。メインとなるお盆の4日間の「徹夜踊り」には例年多くの人が訪れ、浴衣に下駄姿で踊りに参加します。
郡上おどりの特徴の一つは、観光客も地元の人も一緒に輪になって踊ること。誰でも簡単に踊れる振り付けが特徴で、期間中は町内の通りや広場、神社などで順次開催され、全日程で市街地を一巡。元々別々に行われていた盆踊りを、江戸時代に一つに集約したことからこのような形になったと考えられています。
郡上おどりは、1月19日18:00からのスペシャルナイトイベント「みんなで参加しナイト!」にも登場します。ぜひ一緒に踊ってみてはいかがでしょうか。
沖縄全島エイサーまつり(1月20日~1月22日)
「沖縄全島エイサーまつり」は、沖縄市の沖縄アリーナで、毎年旧盆明けの最初の週末に3日間にわたって開催される、県内最大のエイサー祭りです。
エイサーは沖縄や奄美に伝わる伝統芸能で、旧盆の時期に祖先の霊をあの世に送るために行われます。エイサーまつりで主として踊られるのは「太鼓エイサー」といわれるもので、地方・地謡(じかた・じーうてー)による沖縄民謡やエイサー節に合わせて大太鼓、締太鼓が打ち鳴らされ、イキガモーイ(男手踊り)、イナグモーイ(女手踊り)が踊りを披露します。
一瞬にして沖縄にいるような気分にさせてくれるヨナ抜き民謡と力強い太鼓に酔いしれましょう。
盛岡さんさ踊り(1月21日~1月22日)
「盛岡さんさ踊り」は、岩手県盛岡市で毎年8月上旬に4日間にわたって開催され、2019年には150万人近くの人出で賑わった大祭です。勇壮な和太鼓のリズムが響き渡り、浴衣姿の踊り手たちが華やかに街を練り歩きます。
さんさ踊りは、踊り手を先頭に、太鼓、笛の3パートで構成されています。全身を使い軽快に踊り、跳ねる動作もあります。盛岡さんさ踊りで踊られるのは祭りのために統一化された踊りですが、本来は各地域に異なるさまざまな踊りが伝わっています。盛岡さんさ踊りでは市役所前のパレードに始まり、各会場での輪踊りが行われ、観客も一緒に踊ることができます。
盛岡さんさ踊りは「来て、観て、魅せられ、加わるさんさ」がキャッチフレーズ。「魅せる祭り」だけではなく「参加する祭り」の開放感と観客を巻き込む力で会場を盛り上げてくれます。
まとめ
全国各地から有名な祭りや希少な祭りが一堂に集まる「ふるさと祭り東京」は、日本の祭りを東京で一気に観られるうえに体験もできる貴重な機会です。
祭りの本場へ観に行くことが難しいという方も、ぜひこの機会に、足を運んでみてはいかがでしょうか。